安全性評価のための動物実験代替法の開発および評価体制の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200501112A
報告書区分
総括
研究課題名
安全性評価のための動物実験代替法の開発および評価体制の確立に関する研究
課題番号
H16-医薬-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小澤正吾(国立医薬品食品衛生研究所 薬理部)
  • 板垣 宏(日本化粧品工業連合会・技術委員会)
  • 田中憲穂(食品薬品安全センター、秦野研究所)
  • 戸倉新樹(産業医科大学 医学部 皮膚科)
  • 吉村 功(東京理科大学工学部経営工学科)
  • 大森 崇(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
21,290,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
代替法に関する国際情勢の調査、化粧品や医薬品の安全性評価のための代替法の開発、および、新規代替法が行政試験法として適切であるか評価する。
研究方法
海外代替法情報は関連機関のホームページを定期的に検索するとともに欧米の化粧品工業会と連繋し収集した。評価試験法は公募し、日本動物実験代替法学会に委託して評価した。In vitro皮膚感作性試験のバリデーションは化粧品工業連合会傘下の企業の協力を得て実施した。
結果と考察
EUでは行政と企業が協力して代替法研究を促進するため3Rs宣言を行い、科学研究費の4%を3Rsのために支出する。ICCVAM, ECVAM代表者も参加し、JaCVAM設立記念シンポジウムが日本で開催された。韓国代替法学会が設立された。
 日本で開発されたVitroLife SkinとOECDで承認されたEpiDermについて、皮膚腐食性試験系としてのバリデーションを実施し、両者が同様の能力を持つことを示した。RIを用いない皮膚感作性試験代替法(LLNA-DA法)の多施設バリデーションを開始した。また、同LLNA-BrdU法がバリデーションする価値があると思われた。
 CD86やCD54発現亢進を指標にした感作性試験代替法(h-CLAT法)のプレバリデーションを行ったところ、多くの施設で感作性物質と非感作性物質を識別できた。in vitro光アレルギー性試験で光感作性物質がHaCaT細胞に対し、ネクローシスより10倍低い濃度でアポトーシスを起こした。
 代替法開発のための統計解析手法の研究ではET50の区間推定法,アガールMLA法の性能評価,及び 光毒性試験代替法を検討した。リスクの定量的評価において、統計学的な有意水準と実験者の評価が合わないことを実感された。バリデーション研究で算出される感度、特異度、一致度は被験物質と施設数に依存している。感度、特異度、一致度の割合を、被験物質のみに依存して計算する方法が提案された。
 ヒト皮膚に存在するP450分子種で被験物質をプレインキュベーションするとm-aminophenolについて、CYP2E1による代謝活性化による細胞増殖抑制作用が認められた。
結論
国際的に代替法研究が高まっている。in vitro感作性試験代替法としてh-CLAT法が、皮膚腐食性試験代替法としてVitroLife Skin法が有望と思われた。

公開日・更新日

公開日
2006-07-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-01-19
更新日
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