インフルエンザワクチン需要予測に関する研究

文献情報

文献番号
200501091A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザワクチン需要予測に関する研究
課題番号
H16-医薬-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
三浦 宜彦(埼玉県立大学保健医療福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 延原 弘章(高崎健康福祉大学健康福祉学部)
  • 渡辺 由美(高崎健康福祉大学健康福祉学部)
  • 大日 康史(国立感染研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
15,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はインフルエンザワクチンの需要量の推計方法を確立することを目的とする。
研究方法
1.医療機関等を対象とした接種状況調査
 医療機関等に対し、シーズン前(平成17年9月)に協力を依頼し、シーズン終了後(平成18年3月)に調査票の回収を行った。調査対象施設数は、(社)日本医薬品卸業連合会加盟の医薬品卸売業者が平成15年度に1本以上を供給した全国75,997施設から、都道府県を層として抽出した5,099施設とした。調査項目はワクチン購入本数、年齢・接種方法別接種人数とした。
2.住民を対象とした接種意向調査
 高齢者,幼児・児童,成人の3グループを対象としてインフルエンザワクチンの接種意向調査を行った。調査対象は調査会社とモニター契約を結んだ880世帯である。調査項目は、平成17年度におけるワクチン接種希望と実際の接種の有無(有りの場合は自己負担額)および平成18年度のワクチン接種意向とJoint Estimationのための設問とした。
結果と考察
1.平成17年度における実際のインフルエンザワクチン使用本数は厚生労働省調べで1,932万本であり、本研究者等の昨年度の推計値は、医療機関調査で8.0~11.5%多く、住民調査で6.5%多かったことが明らかとなった。
2.平成17年度のインフルエンザワクチン接種率は、世代間に格差がみられ、1歳以上6歳未満および65歳以上の接種率が他の世代に比べると約55~60%と高かったが、全年齢では29.4%であった。この接種率を平成16年度と比較すると、1歳未満以外は増加していた。
3.医療機関等を対象とした接種状況調査にもとづいて、回答医療機関等の偏りの補正、過去2シーズンの経験よる予測接種者数の補正および廃棄量の推定により、平成18年度のワクチン需要数を推計すると、約2,191万本から約2,278万本となった。
4.住民を対象とした接種意向調査から平成18年度のワクチン需要数は約2,147万本と推計された。さらに、鳥インフルエンザの国内発生があった場合、470万本の需要の増加があると推定された。
結論
インフルエンザワクチンの需要動向は、インフルエンザの流行状況、他疾患の流行状況、接種勧奨の程度、マスコミ等の報道のされ方などによって、大きく変化することを考慮すると、インフルエンザワクチン需要量の定型的な推計方法を確立するためには、長期に渡る継続した調査が必要である。今年度試みた推計値の補正は、過去6シーズンの継続した接種状況の把握により、可能となったとものと考える。

公開日・更新日

公開日
2008-12-24
更新日
-