食品中に残留する抗生物質の分析法に関する研究

文献情報

文献番号
200501064A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中に残留する抗生物質の分析法に関する研究
課題番号
H17-食品-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
堀江 正一(埼玉県衛生研究所水・食品担当)
研究分担者(所属機関)
  • 井部 明広(東京都健康安全研究センター 食品化学部)
  • 丹野 憲二((財)日本食品分析センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
畜水産食品の安全性を確保するため、多くの抗菌性物質を一括して分析できる分析法の確立が必要とされている。微生物学的試験法は、阻止円の有無を観測することにより抗菌性物質の残留の有無をスクリーニングすることが可能である。しかし、現公定法は、検出感度および操作性の点で改善すべき問題がある。そこで本研究では、残留抗菌性物質の迅速且つ検出感度に優れた微生物学的試験法を構築することを目的とする。なお、ELISA等の簡易検査キットを用いた検出法も併せて検討する。
研究方法
現在用いられている試験菌に比べ、操作性、汎用性、検出感度に優れた試験菌の採用を検討し、併せて国内外で汎用されている抗生物質等の抗菌活性を調べた。試験菌には,公定法試験菌及び市販芽胞菌液を用いた.更に、多くの抗菌性物質を感度よく検出できる簡易試験法及び高感度試験法の開発を試みた。
結果と考察
市販芽胞菌液は、公定法試験菌に代わる残留抗菌性物質のスクリーニング法として有用であった。次に、畜水産食品中に残留する主な抗菌性物質を一括して検出できる簡易試験法及び高感度試験法を構築した。また、β-ラクタム系抗生物質及びテトラサイクリン系抗生物質の高感度な系統別スクリーニング法,及びミックスモードカートリッジを用いた食肉中に残留する系統の異なる抗生物質の試験法を構築した。更に、機器分析法とELISA法を用いて食肉中のキノロン剤の残留分析法を検討した。
結論
市販芽胞菌液は、公定法試験菌に代えて用いることが可と評価した。更に、畜水産食品中に残留する主な抗菌性物質を一括して検出できる簡易試験法及び高感度試験法を構築した。構築した高感度試験法は、多くの抗菌性物質を0.001~0.1ppmレベルで検出することが可能であった。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
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