既存添加物の成分と品質評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501054A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の成分と品質評価に関する研究
課題番号
H17-食品-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 秋山 卓美(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 永津 明人(金城学院大学薬学部)
  • 黒柳 正典(県立広島大学生命環境学部)
  • 尹 永淑(東京薬科大学生命科学部)
  • 李 貞範(富山大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存添加物(天然添加物)の多くで国の品質規格が未整備なままであるのが現状である。本研究では、特に成分研究が遅れている酸化防止剤、苦味料、増粘多糖類、ガムベースに重点を置き、添加物の有効性(活性)を測定する手法を積極的に利用することによって含有成分を解析し、品質評価の指標となる成分を明らかにする。また、既存添加物製品の品質や機能特性を簡便に評価する方法を開発する。
研究方法
苦味成分のモデル化合物と添加物製品を味覚センサーによる苦味の質の解析、定量性の解析を行った。酸化防止剤を複数の抗酸化活性測定法で測定し、各評価系の特徴について調べた。添加物製品の含有成分は、成分を単離し、各種機器分析で同定・定量を行った。
結果と考察
苦味料は、味覚センサーによる苦味の基礎的分析方法を、各種モデル化合物(市販の研究用試薬)及び苦味料添加物を用いて検討した。味覚センサーで苦味が検知可能な化合物群と検知できない化合物群があった。検知できなかった化合物も、溶解性を高めることで検知できる場合がある可能性が示唆された。レイシ抽出物中の苦味成分の単離及びヒキオコシ抽出物の基原植物種の含有成分とDNA分析を行った。酸化防止剤は、主要な天然抗酸化化合物を対象にして複数の抗酸化活性測定系における添加物の濃度と活性の関係を調べた。測定系間で活性の高低の傾向は概して一致していたので、酸化防止剤評価方法として適していると考えられた。しかし、各種食品添加物製品の抗酸化活性では、測定方法によって活性強度の傾向が異なる品目が一部あることがわかった。ブドウ種子抽出物のHPLC分析条件の検討、ユーカリ葉抽出物とソバ葉の成分解析を行った。増粘多糖類は、硫酸化多糖類に分類されるフクロノリ抽出物と精製カラギナンの分子量分布と構成糖の組成比を解析し、特徴を明らかにした。ガムベースは、テルペノイド系とエステル系に大別し、各品目の含有成分を解析して各品目ごとの特徴を明らかにした。TLC、GC/MS、LC/MS分析が各品目の確認方法として利用できることが示された。ほかに、既存添加物である酵素8品目と製造用剤1品目の業界自主規格を新規作成し、着色料1品目の業界自主規格を見直し・改訂した。ホウセンカ抽出物の含有成分の解析を行った。
結論
次期第9版食品添加物公定書の規格整備に向けて有用な基礎的知見を得ることができた。次年度も当初の予定に沿って研究を実施する。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
-