世界ドライアイ診断基準の作成と我が国への応用

文献情報

文献番号
200501336A
報告書区分
総括
研究課題名
世界ドライアイ診断基準の作成と我が国への応用
課題番号
H17-医療-025
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
坪田 一男(慶應義塾大学 医学部眼科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 村戸 ドール(慶應義塾大学 医学部眼科学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)日本ドライアイ診断基準に不定愁訴が存在しないため、日本ドライアイ診断の欧米との統一化を目指し、基準診断基準に自覚症状を加える2)日本人におけるドライアイ不定愁訴や日本人におけるドライアイの実態を明らかにする。3)国内外ドライアイ患者、医師のドライアイとその自覚症状の認識を高める。4)ドライアイのスクリニングになれる簡便な検査法を確立する。
研究方法
1)世界のドライアイ診断基準と定義の統一化を目指す組織(DEWS)を構成する。2)DEWSで認められているドライアイの定義、診断基準を我が国の診断基準と定義に応用し、大幅のdry eye epidemiology studyを行う。3)一般患者・医師のドライアイならびにその自覚症状の認識を高めるためDEWSホームページを作成し、医師・市民公開講座を行う。4)涙液の貯留量の測定よりドライアイのスクリニングができる簡便な方法を確立する。
結果と考察
1)国内海外ドライアイ専門の医師より世界DEWSのstudy groupを構成し、ドライアイ診断基準の改善における国内海外meetingを数回行った。2)DEWSではドライアイの定義および新診断基準がきまり、世界と日本のドライアイ診断基準が10年ぶりに見直され再作成された。
本年度5406人のオフィスワーカーを対象に行ったドライアイ自覚症状大規模studyを施行し、症例の32.6%に重症ドライアイ自覚症状が認められた。ドライアイの罹患率12.9%であった。重症ドライアイ自覚症状の検討では自覚症状は女性に最も多く認められた。4時間以上のVDT作業は重症ドライアイ自覚症状と有意な関係を持っていた。自覚症状として眼性疲労は最も多かった。重症ドライアイ自覚症状とコンタクトレンズ装用の間に有意な関係が認められた。ドライアイと診断された症例においても同様の結果が得られた。3)新診断基準・定義について医師向けのシンポジウム、また一般市民と医師向けの公開講座を行った。4)現在ストリップメニスコメトリーおよびキャピラリーメニスコメトリーと名つけたドライアイ方のスクリニングになれる検査法の研究は進行中である。
結論
新ドライアイ定義ならびに診断の決意によりドライアイの自覚症状があっても診断できなかった症例の診断が可能となった。ドライアイの新診断基準と定義の確立に伴って、ドライアイの診断の効率が高まることや、ドライアイにおける治療の改善が期待される。また、日本国民におけるドライアイならびにその自覚症状の実態も明らかになってくると思われる。

公開日・更新日

公開日
2007-11-02
更新日
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