安全な保健医療情報流通を促進する保健医療認証基盤整備の技術的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200501334A
報告書区分
総括
研究課題名
安全な保健医療情報流通を促進する保健医療認証基盤整備の技術的方策に関する研究
課題番号
H17-医療-023
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学像情報工学研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(国立大学法人東京工業大学像情報工学研究施設)
  • 土屋 文人(国立大学法人東京医科歯科大学歯学部付属病院)
  • 八幡 勝也(財団法人九州ヒューマンメディア創造センター)
  • 高橋 紘士(立教大学コミュニティ福祉学部)
  • 秋山 昌範(国立国際医療センター医療情報システム開発研究部)
  • 石垣 武男(国立大学法人名古屋大学大学院医学系研究科量子医学分野)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学大学院情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
安全な保健医療情報の流通をネットワーク経由で行うためには、医療データ等を使用する者の正当性を認証すること、また通信回線上や医療機関内での医療データ等の保護を実現することが重要である。本研究では、これまでに保健医療福祉分野の情報化において必須となる電子的な医師等の資格認証の必要性を示し、電子認証の実施方法や問題点の調査・検討を行ってきた。今年度は、これまでの研究で得られた結論を基に、通信回線上や医療機関内部における個人情報・医療情報等の安全性を確保する技術について研究開発を進め、保健医療福祉分野における情報の安全な流通を保証するネットワーク基盤を構築・運用する方策について検討することを目的とする。
研究方法
工学者及び医師らの研究分担者からなる研究班として、保健、医療、福祉の各分野における情報化推進にあたっている専門家を中心として組織し、委員会を開催して各分野における電子化の状況や情報保護に対する取り組みを調査し、安全に医療情報を取り扱うための課題の抽出と実現方法の検討を行った。さらに、安全なネットワーク基盤構築に関する検討を行っている諸機関・グループとの情報交換・連携を行い、今後、医療分野における共通ネットワーク基盤にするための方策を検討した。
結果と考察
本研究では、多機能ICチップ搭載のルータ間を即座にVPN接続可能なネットワーク基盤(以下、オンデマンドVPN)を利用することで、医療機関等における利用者や利用環境をネットワーク経由で迅速に確認し、複数の情報機器で動的に安全なネットワークを構築することができることを示した。また、オンデマンドVPNを利用した機器等の認証機構とヘルスケアPKIに準ずるICカードを利用した医師等の認証機構を用いて、医療情報へのアクセス制御を実現できることを実験システムによって明らかにした。この認証機構により、個人情報保護を実現しつつ医療機関が相互に情報交換可能な医療情報の電子化を進めることが可能になると考えられる。
結論
本研究では、保健医療福祉分野において安全に電子的な情報流通を実現するための課題を明らかにした。具体的には、住基カードの配布、公的個人認証サービスの開始など、実施に向けた環境は整いつつあることを踏まえ、PKIに基づく個人および資格認証の仕組みを早急に確立するとともに、接続先を必要に応じ適切に変更できる安全なネットワークが必要であることを明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2006-10-03
更新日
-