高度総合診療施設における看護電子カルテの実用化と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501310A
報告書区分
総括
研究課題名
高度総合診療施設における看護電子カルテの実用化と評価に関する研究
課題番号
H16-医療-045
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 是恒 之宏(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 東堂 龍平(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 岡垣 篤彦(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 山田 泰子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 大野 ゆう子(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 武田 裕(大阪大学医学部附属病院)
  • 松村 泰志(大阪大学医学部附属病院)
  • 石川 澄(広島大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、これまで我々が行ってきた「医療者の創る電子カルテ」のコンセプトの延長として、看護師が満足できる看護電子カルテの開発を目指し、看護電子カルテに向けたインターフェス層の検討を行い、これを用いた看護電子カルテを開発することを目的としている。
研究方法
病棟業務における看護師の役割を分析し、看護師の病棟業務が円滑に進行するように支援するシステムの設計を行った。次いで、評価後の看護電子カルテシステム設計書に基づき、システムを構築し、その実証実験を行った。さらに、開発効果の検証も行った。
結果と考察
実証実験の結果、以下の結論を得た。1)業務インタビュー、業務観察を行い、看護師の業務の目的・判断基準などの洗い出しを行ったところ、現行の看護電子カルテの機能では看護師の業務上の判断基準と必ずしもリンクした形で画面構成されていないことが明らかとなった。2)システムに項目として存在していても、判断に必要な情報を表示できる領域がなければ詳細画面を開くこととなり、使い勝手の悪さの原因となる。高いユーザビリティを実現するためには、一覧画面に次のアクションを起こすべき判断材料が表示されている必要がある。3)判断基準となる情報内容を一覧画面に反映させるには、レスポンスを考慮し、データベース構造の見直しの検討も必要である。4)電子カルテシステムは大規模システムであり、より効果的にシステムを改善させていくためには業務分析結果を広く共有していくことが重要である。5)オーダ情報を扱う者には指示者、実施者、支援者の立場があり、看護師は支援者の立場となることが多く、必要となる情報は指示者、実施者のそれとは異なる。6)画一的な画面から、データ(オーダ)の特性を分析した上で最適な配置を検討した画面にすることで、一覧性が向上する。7)看護師の業務では略語の利用が多く、スペースの有効活用に繋がっている。システムでもマスタに正式名と略語の両方を登録できるようにすることで同様の効果が得られるが、マスタメンテナンスとのトレードオフとなる。
結論
看護電子カルテは、看護師の業務の分析等、システム的な業務分析がないまま設計されたデータベース構造では、ユーザーインターフェス、レスポンスの両面で満足いくものにはなり得ないと、結論づけられた。

公開日・更新日

公開日
2007-10-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200501310B
報告書区分
総合
研究課題名
高度総合診療施設における看護電子カルテの実用化と評価に関する研究
課題番号
H16-医療-045
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 是恒 之宏(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 東堂 龍平(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 岡垣 篤彦(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 内藤 正子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 山田 泰子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 武田 裕(大阪大学医学部附属病院)
  • 松村 泰志(大阪大学医学部附属病院)
  • 石川 澄(広島大学病院)
  • 大野 ゆう子(大阪大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、これまで我々が行ってきた「医療者の創る電子カルテ」のコンセプトの一環として、看護電子カルテに向けたインターフェス層の検討を行い、これを用いた看護師が満足できる看護電子カルテの開発を目的としている。
研究方法
病棟業務における看護師の役割を分析し、看護師の業務の進行を支援するシステムの設計を行った。次いで、評価後の看護電子カルテシステム設計書に基づき、システムを構築し、その実証実験を行った。さらに、開発効果の検証も行った。
結果と考察
以下の結論を得た。1)業務インタビュー、業務観察を行い、看護師業務の目的・判断基準などの洗い出しを行ったところ、現行の看護電子カルテの機能では業務上の判断基準と必ずしもリンクした形で画面が構成されてないことが明らかとなった。2)システムに項目として存在していても、判断に必要な情報を表示できる領域がなければ詳細画面を開くこととなり、使い勝手の悪さの原因となる。高いユーザビリティを実現するためには、一覧画面に次のアクションを起こすべき判断材料を表示する必要がある。3)判断基準となる情報内容を一覧画面に反映させるには、レスポンスを考慮し、データベース構造の見直しの検討も必要である。4)電子カルテシステムは大規模システムであり、効果的にシステムを改善させていくためには業務分析結果を広く共有していくことが重要である。5)オーダ情報を扱う者には、指示者・実施者・支援者の立場があり、看護師は支援者の立場となることが多く、必要となる情報は指示者・実施者とは異なる。6)画一的な画面から、データ(オーダ)の特性を分析し、最適な配置を検討した画面にすることで、一覧性が向上する。7)看護師の業務では略語の利用が多く、スペースの有効活用に繋がっている。システムでもマスタに正式名と略語の両方を登録できるようにすることで同様の効果が得られるが、マスタメンテナンスとのトレードオフとなる。
結論
以上より、看護電子カルテは、システム的な業務分析を行い、それに基づいて設計されたデータベース構造を持たないと、ユーザーインターフェス、レスポンスの両面で満足いくものにはなり得ないと結論づけられた。

公開日・更新日

公開日
2007-10-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501310C