NICU看護技術標準化によるエビデンスに基づいた安全対策に関する研究

文献情報

文献番号
200501307A
報告書区分
総括
研究課題名
NICU看護技術標準化によるエビデンスに基づいた安全対策に関する研究
課題番号
H16-医療-041
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
横尾 京子(広島大学大学院保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
NICUで用いられる看護技術(チューブ固定法)の安全性と有効性を検証し、エビデンスに基づいた安全対策としての看護技術基準を作成することであった。
研究方法
気管内チューブ(口角・正中固定)、栄養チューブ(経口・経鼻挿入)、IV、PI、各々について、平成16年度に実施したデルファイ調査結果を再評価して選出した方法(対照群)と対照群よりも効果的と考えられた方法(実験群)を、低出生体重児を対象に、予定外抜管頻度、再固定までの日数、皮膚の変化等の観点から比較した。
結果と考察
1)気管内チューブ(絆創膏面積の違い):口角および正中固定とも、調査期間中に群に予定外抜管や皮膚の変化は発生しなかった。再固定までの日数は、口角固定の場合は、群間差はなかった。正中固定では実験群が有意に長かったが、絆創膏面積が少ないことによる予定外抜管への不安が強く、調査期間を短縮した。これらの結果から、絆創膏貼付面積を少なくすることが可能であり、固定力だけではなく、口の開閉や表情筋運動の抑制の観点からも、各施設が実施している方法を再検討することが必要である。2)栄養チューブ経口(長さ4cmの絆創膏α留め・Ω留め):群間差はなかった。定期交換(6日毎)までに70%がチューブの入れ替えがあったため、絆創膏の長さはより長いほうがよかった。3)栄養チューブ経鼻(絆創膏の形状):群間差はなく、定期交換(7日毎)までのチューブ入れ替えはなかった。4)IV(絆創膏・透明ドレッシング):カテーテル挿入日数に群間差はなかった。低出生体重児に適した透明ドレッシングのサイズがなく、透明ドレッシングのデータは大部分が正期産児によるものとなった。5)PI(ドレッシング周囲の固定の必要性):仮留め用に透明絆創膏を使用する場合は周囲の固定は不要、仮留め用絆創膏を使用しない場合はカテーテル側横方向に止める必要があった。カテーテル挿入日数に群間差はなかった。ドレッシングの機能を考慮すると、後者が望ましいと考える。
結論
抜管を防止するために、チューブやカテーテルの固定法を、安全性や有効性だけではなく、早産児への負担の面から検討した。その結果、望ましい方法について、対象や状況に応じて判断できるよう、根拠や考え方を示した看護技術基準を作成することができた。その普及には、施設間差が著しいため、学会レベルでも取り組む必要があると考える。

公開日・更新日

公開日
2007-07-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-11-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200501307B
報告書区分
総合
研究課題名
NICU看護技術標準化によるエビデンスに基づいた安全対策に関する研究
課題番号
H16-医療-041
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
横尾 京子(広島大学大学院保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
NICUで用いられる看護技術(チューブ固定法)の安全性と有効性、実行可能性を検証し、エビデンスに基づいた安全対策としての看護技術基準を作成し、普及を図ることであった。
研究方法
気管内チューブ(口角・正中固定)、栄養チューブ(経口・経鼻挿入)、抹消静脈留置カテーテル、経抹消中心静脈カテーテルの固定法について、平成16年度は、120施設を対象にしたデルファイ調査とした。平成17年度は、4施設の低出生体重児を対象に、2群間比較により、安全性・有効性・実行可能性の検証を行なった。デルファイ法で選出された方法は、新生児の負担(口の開閉や表情筋運動の抑制・皮膚刺激)を考慮したものではなかった。したがって、検証すべき方法については、評価基準をもとに再評価、選出した。検証段階では、対照群をデルファイ法によって選出した方法、実験群を対照群よりも効果的と考えられた方法とし、予定外抜管頻度、再固定までの日数、皮膚の変化等の観点から比較した。
結果と考察
1)気管内チューブ:口角および正中固定とも、調査期間中に群に予定外抜管や皮膚の変化は発生しなかった。再固定までの日数は、口角固定の場合は、群間差はなかった。正中固定では実験群が有意に長かった。これらの結果から、絆創膏貼付面積を少なくすることが可能であり、固定力だけではなく、口の開閉や表情筋運動の抑制の観点からも、各施設が実施している方法を再検討する必要がある。2)栄養チューブ経口挿入:2群とも定期交換までに70%にチューブの入れ替えがあったため、絆創膏の長さを長くする必要があった。3)栄養チューブ経鼻挿入:群間差はなく、定期交換(7日毎)までのチューブ入れ替えはなかった。4)抹消静脈留置カテーテルの固定に透明ドレッシングを使用することが可能であった。低出生体重児に適したサイズがあれば、使用頻度は高くなると考えられる。5)経抹消中心静脈カテーテル:カテーテル重量を考慮する必要がある。
結論
抜管を防止するために、チューブやカテーテルの固定法を、安全性や有効性だけではなく、早産児への負担の面から検討した。その結果、望ましい方法について、対象や状況に応じて判断できるよう、根拠や考え方を示したガイドラインを作成することができた。その普及には、施設間差が著しいため、学会レベルでも取り組む必要があると考える。

公開日・更新日

公開日
2007-07-18
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501307C