新人看護職員研修の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200501291A
報告書区分
総括
研究課題名
新人看護職員研修の推進に関する研究
課題番号
H16-医療-024
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
竹尾 惠子(国立看護大学校)
研究分担者(所属機関)
  • 小澤 三枝子(国立看護大学校)
  • 水野 正之(国立看護大学校)
  • 佐藤 エキ子(聖路加国際病院)
  • 髙屋 尚子(聖路加国際病院)
  • 廣瀬 千也子(日本看護協会)
  • 正木 治恵(千葉大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院の特徴と新卒看護師研修プログラムの特徴を分析し、新卒者研修推進に向けた具体的方策を検討する。
研究方法
平成16年度の東京・神奈川・大阪・兵庫の病院全数調査で得られた440(回収率22.7%)の分析を進め、仮設基準を新たに設定、全国規模での育成可能人数試算を行った。重ねて、聞き取り調査や文献検討を行い、統計処理ではわからない特有の工夫・問題点等の実情を把握し、研修に必要な教育環境や支援内容について分析した。
結果と考察
一般病床群(一般病床75%以上)を対象として分析したところ、新卒者数が9名以下の施設が半数を占めていた。新卒者数が5人以上いる施設はすべて研修プログラムを持っており、侵襲性が高い看護技術11項目中9項目以上について研修を行っていた。新卒者を主に受け入れて、教育を行っている病院は一般病床群に多い。また、新卒者が侵襲性が高い看護技術を経験できるのは、200床以上の一般病床群である。全国の病院データをもとに算出したところ、一般病床群で200床以上の病院は1,439であった。これを「新卒者研修病院」と仮定して、ここに定員外で全新卒者を託した場合、看護職員の何%に相当するかについて全国規模の試算を行った。その結果、各「新卒者研修病院」に、その病院の看護職員の11.8-14.1%に相当する新卒者を託せば、新卒者教育が行えるという試算結果が得られた。
 ヒアリング調査を行った3施設では、特に安全に関する技術と管理について指導の強化をはかっており、安全管理に関する基準等を設け、チェックリストを活用しながら指導していた。新卒看護師が「入職時一人でできる」看護技術は、非常に少なく、3施設とも基本的看護技術の指導の必要性を強く感じていた。また文献検討の結果からは、新人看護職員の育成の際には、看護実践能力の習得のみならず、組織への適応プロセスも念頭においておく必要があることがわかった。
結論
医療の安全性確保、新卒者へかかるプレッシャー、新卒者を支える看護職員にかかる過度の負担等を勘案し、せめて就職後3ヶ月間は定員外の人員として新卒者を教育することが必要であると考える。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
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