院内感染地域支援ネットワーク及び相談体制の改善・普及や、データベースおよびバックアップ体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200501279A
報告書区分
総括
研究課題名
院内感染地域支援ネットワーク及び相談体制の改善・普及や、データベースおよびバックアップ体制の構築に関する研究
課題番号
H16-医療-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
倉辻 忠俊(国立成育医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 切替 照雄(国立国際医療センター研究所感染症制御研究部)
  • 大久保 憲(東京医療保健福祉大学医療情報学科)
  • 芦田 信之(甲子園大学現代経営学部医療福祉マネジメント学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
院内感染は、患者の原病に悪影響を与え、余計な肉体的・精神的苦痛を与えるばかりでなく、国全体から見ても医療費の無駄遣いにつながる。本研究は、院内感染防止地域ネットワークを構築、相談体制を確立し、施設の規模や目的から感染症専門家のない施設でも、院内感染防止可能にし、医療の質を高め国民に安全な医療を提供できる環境を提言することである。
研究方法
欧米諸国の体制を調査分析し、日本の参考にする。日本全国のモデル11地域において地方自治体主導で院内感染防止のチームを組織し、学術団体・中核医療施設の協力の下で相談体制の確立を試みる。また各施設の事例のデータベースを集積・分析し、相談事業のバックアップに必要な体制の確立を検討する。
結果と考察
1.米国、英国、ドイツの国としての院内感染防止体制を調査分析した。情報網の構築、医師・看護師団体、学術団体との連携、リファレンスラボの機能、地域中核病院の役割が重要である。2.全国11道県・地域において地方自治体・病院協会・学術団体・中核病院の協力の下で院内感染防止相談体制を設立し、試行した。設置場所、相談形式、開始時期、相談窓口、活動時間、対応者の人数と所属、相談件数、相談施設数、予算措置、などの項目を調査すると共に、現在の問題点の分析、相談しやすくするための方策、効果を上げるためのその他の活動、事業化へ向けての問題点を整理した。3.事例報告システム・データベースを構築し、事例集積・分析して、対策方法について情報発信を行った。4.相談事業のバックアップに必要な項目をピックアップし、その利用体制の確立を検討した。5.国立国際医療センターホームページに、別の研究班で作成したエビデンス集、院内感染防止手順等を掲載し、直接Webを介して質問・回答の対話形式を試行している。3-5では、院内感染防止に必要な施設としての体制、環境、個々の疾患が発症した場合の対応などの相談が中心である。
結論
これら院内感染防止に関する相談体制は、中小規模の施設においても院内感染の抑止に効果的であると共に、国民に安全な医療を提供する上で、また日本の医療費節減の上で、非常に大きな効果が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
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