医療機関における放射線安全の確保に関する研究

文献情報

文献番号
200501277A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における放射線安全の確保に関する研究
課題番号
H16-医療-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 久夫(千葉大学大学院医学研究院放射線腫瘍学)
研究分担者(所属機関)
  • 戸川 貴史(千葉県がんセンター核医学診療部)
  • 成田 浩人(慈恵会医科大学放射線部)
  • 中川 恵一(東京大学大学院放射線医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療放射線被ばくの防護・安全管理は、国際的に大きな問題となっており、多くの指針や手引き書が出版されている。わが国でもこの問題に対して従来から検討が行われ、各領域で各種の指針等が作成されてきた。本研究は従来の研究とは異なり、国際的な視野に立って、包括的な医療放射線被ばくの安全管理に関する指針を作成することを目的とした。
研究方法
本年度は主に本邦における放射線診断機器の普及状態、使用状態を調査する。これらの結果を国際的な状況と比較して、本邦における問題点を明らかにする。本邦の構造的特性に適した安全管理のための方法を考案する。また、放射線安全管理に関する国際的な各種のガイドライン、マニュアルを解析し、本邦に適したものを作成する。また、これらを実施するために必要な要件を検討する。
結果と考察
初年度(2004年度)は、最近頻発する放射線治療の誤照射事故を防止・低減するため、わが国における放射線治療の問題点を検討した。本年度(2005年度)は放射線診断における安全管理と被ばくの低減のため、国連科学委員会への報告(2000年)等に基づき、本邦の放射線診断の現状を解析した。機器の安全管理と被ばくの低減には、医療安全部門による研修の一部として、“画像診断の有効性の限界と被ばくの低減”、に関する研修を定期的に行う必要があると考えられる。さらに、日進月歩の診断機器の特性を加味し、各疾患の病態に応じた最適な画像検査の選択に関するガイドラインを作成して、若手医師を中心に配布することも必要と考えられる。次年度は各医療機関の規模とレベル毎に、必要な医療放射線安全管理のガイドラインとマニュアルを完成させ、各レベルに必要な研修項目を明確にする予定である。
結論
医療における放射線安全の確保は、国際的にも、国内でも従来から検討が行われ、各領域で各種の指針等が作成されてきた。本研究は従来の研究とは異なり、国際的な視野に立って、包括的な医療における放射線の安全確保に関する指針を作成する。初年度は、わが国における放射線治療の構造、事故の原因、放射線治療の現況、をアンケート調査・資料に基づき解析し、事故防止のための指針を作成した。本年度は本邦における放射線を用いた画像診断の特徴を解析し、本邦にあった安全管理の方法と、実行するための手法を考察した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
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