特定機能病院の医療安全対策に資する標準クリニカル・インディケータの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200501272A
報告書区分
総括
研究課題名
特定機能病院の医療安全対策に資する標準クリニカル・インディケータの開発に関する研究
課題番号
H16-医療-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
永井 良三(東京大学大学院医学系研究科・東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 大江 和彦(東京大学医学部附属病院・企画情報運営部)
  • 興梠 貴英(東京大学大学院医学系研究科・健康医科学創造講座)
  • 林 同文(東京大学大学院医学系研究科・健康医科学創造講座)
  • 大西 真(東京大学医学部附属病院・医療評価・安全・研修部)
  • 村井 佐知子(東京大学大学院医学系研究科・ホスピタル・ロジスティクス講座)
  • 柏野 聡彦(東京大学大学院医学系研究科・ホスピタル・ロジスティクス講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,大学病院の医療安全対策に資する臨床評価指標を研究・開発し,継続した調査・分析を通じてその改良を行うことである。また,データに関する諸環境整備について検討することである。
今年度は,昨年度調査で用いた臨床評価指標の見直しを行い,全日本としての標準インディケータの初版としての開発、データ分析方針、データの取得方法に関する検討、データ収集・入力システムの開発・検証など,クリニカル・インディケータの取得から分析に係る諸環境整備について検討した。
研究方法
本研究者の組織するワーキンググループにおいて、指標の見直しを行った。平行して臨床指標に関する他の研究グループとの連携を進め、全日本としての標準インディケータの初版としての検討を行った。調査項目の検討にあたっては、各大学の調査担当者の労力軽減に資するため,DPCデータや既存調査で把握されている項目を調査・整理し、インディケータに導入できる項目を検討した。
結果と考察
1.インディケータの見直し
2.各大学からのコメントの収集
3.改良版の調査項目の確定
4.第2回全国調査の開始
5.データの回答率・ばらつきに関する分析
6.データの収集を行う個別病院スタッフのためのデータ収集・入力システムの開発
7.データ分析方針の検討
結論
前年度に開発した臨床指標を見直し、全日本としての標準インディケータの初版を開発した。見直しの際は、DPCや既存調査で把握されている項目の採用を検討し、データの信頼性確保とデータの取得しやすさに配慮した。また、前回調査の結果をもとに、回答率の低い項目やばらつきの大きい項目についてその要因を明らかにし、今年度調査における調査項目の定義の明確化や調査票の構成の見直し等へフィードバックさせた。
これまで臨床指標の定義や測定期間には統一基準がなかったため,多くの大学病院でデータの収集・蓄積体制が明確でなく,施設ごとに指標の取り扱いに相違があった。こうした理由から、前回調査では一部の調査項目についてデータの信頼性に課題が残ったが、今回の見直しにより、より統一的で信頼性の向上したデータの取得が期待される。
本研究で開発した院内のデータ収集担当者のためのWebベースのデータ入力システムについては、評価の結果その有効性を確認できた。データ収集担当者にとってのデータ収集・入力、提出、管理の手間を軽減することが期待される。同時に、本研究実施者におけるデータとりまとめ、データ管理の手間の軽減にも資すると考えられる。継続的な調査の実施にあたっては、こうした調査環境の整備が果たす役割は大きいと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-06-25
更新日
-