文献情報
文献番号
200501246A
報告書区分
総括
研究課題名
小児救急医療における患者・家族ニーズへの対応策に関する研究
課題番号
H15-医療-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
衛藤 義勝(東京慈恵会医科大学小児科学講座・DNA医学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児救急の問題は供給と需要のバランスの崩れにあることが明らかとなっている。本研究では、受療側の受診行動についての調査研究を行い、受療側への対策を探る基礎データを得ること目的とした。更に、供給側の労働状況やQOLについての更なる分析を行い、適正な需要供給バランスの構築のための基礎データの作成を目的とした。
研究方法
1、小児救急外来受診の要因の分析
全国を5つのブロックに分け、それぞれ大都市、中都市、小都市、過疎地での時間外受診患者を対象にアンケート調査を行った。
2、小児科医ストレス調査
日本小児科学会の協力の下、会員を任意に抽出し、Karasekらのモデルに基づいて職業性ストレス要因を評価した。
全国を5つのブロックに分け、それぞれ大都市、中都市、小都市、過疎地での時間外受診患者を対象にアンケート調査を行った。
2、小児科医ストレス調査
日本小児科学会の協力の下、会員を任意に抽出し、Karasekらのモデルに基づいて職業性ストレス要因を評価した。
結果と考察
1、救急外来受診の理由は急病、小児科専門医診療希望、通常時間受診不可の3点である。小児の急病の家庭での対応と受診の判断の情報提供,インターネットも含めた情報提供手段の構築,小児科かかりつけ医機能の強化,小児医療体制の広域化・集約化,子どもの急病に対する職場の理解協力の推進,病児保育の整備などが必要である。
2、小児科医の職業性ストレス要因の検討で、小児科医のストレス・疲労状態は特に、仕事の量的負担感が強く影響していると思われた。
ストレス反応と有意に関連していたのは、週あたりの総労働時間、月あたりの完全休日日数、毎日の平均睡眠時間であり、解析結果を基に、
①週あたり総労働時間を60時間以内とする
②月あたりの完全休日日数を3日以上確保させる
③毎日の平均睡眠時間が6時間以上取れるように、一日の労働時間を制限する
を提言する。
また、家族との生活時間を確保できるようにするなど小児科医のQOLを改善しうるような新体制の構築を、集約化による小児科医の再編とあわせて構築する必要がある。
2、小児科医の職業性ストレス要因の検討で、小児科医のストレス・疲労状態は特に、仕事の量的負担感が強く影響していると思われた。
ストレス反応と有意に関連していたのは、週あたりの総労働時間、月あたりの完全休日日数、毎日の平均睡眠時間であり、解析結果を基に、
①週あたり総労働時間を60時間以内とする
②月あたりの完全休日日数を3日以上確保させる
③毎日の平均睡眠時間が6時間以上取れるように、一日の労働時間を制限する
を提言する。
また、家族との生活時間を確保できるようにするなど小児科医のQOLを改善しうるような新体制の構築を、集約化による小児科医の再編とあわせて構築する必要がある。
結論
受診側のニーズは24時間365日の小児科医療を求めている。ただ、受診までの1時間は容認するとの意見も少なくない。提供側は、慢性的な長時間労働と際限の無い緊張感からストレスが高く、疲労感が強い。
適切な医療機関の配置と受診側の啓蒙が必要である。
適切な医療機関の配置と受診側の啓蒙が必要である。
公開日・更新日
公開日
2008-04-03
更新日
-