脊柱靱帯骨化症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500848A
報告書区分
総括
研究課題名
脊柱靱帯骨化症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-033
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院整形外科・脊椎外科)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川秀樹(大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科))
  • 井ノ上逸朗(東京大学医科学研究所ゲノム情報応用診断部門)
  • 池川志郎(理化学研究所・遺伝子多型研究センター)
  • 岩本幸英(九州大学整形外科)
  • 馬場久敏(福井大学医学部整形外科)
  • 木村友厚(富山大学医学部整形外科)
  • 小宮節郎(鹿児島大学医学部整形外科)
  • 藤 哲(弘前大学医学部整形外科)
  • 鐙 邦芳(北海道大学保健管理センター)
  • 四宮謙一(東京医科歯科大学医学部整形外科)
  • 戸山芳昭(慶應義塾大学医学部整形外科・脊椎脊髄外科)
  • 国分正一(東北大学大学院医学系研究科整形外科学)
  • 田口敏彦(山口大学医学部生体機能統御学・整形外科)
  • 米延策雄(国立病院機構大阪南医療センター整形外科)
  • 中村孝志(京都大学大学院医学研究科整形外科)
  • 守屋秀繁(千葉大学大学院医学研究院整形外科)
  • 谷 俊一(高知大学医学部整形外科)
  • 吉田宗人(和歌山県立医科大学脊椎脊髄外科)
  • 安井夏生(徳島大学医学部整形外科)
  • 中原進之介(国立病院機構岡山医療センター整形外科)
  • 山本謙吾(東京医科大学整形外科)
  • 石黒直樹(名古屋大学大学院整形外科学)
  • 富田勝郎(金沢大学医学部整形外科学)
  • 松末吉隆(滋賀医科大学整形外科)
  • 永田見生(久留米大学整形外科)
  • 川島博行(新潟大学医歯学系分子細胞生物学)
  • 星野雄一(自治医科大学整形外科)
  • 里見和彦(杏林大学医学部整形外科学)
  • 持田讓治(東海大学医学部整形外科)
  • 徳橋泰明(日本大学医学部整形外科)
  • 久保俊一(京都府立医科大学大学院医学研究科運動器機能再生外科(整形外科学教室)整形外科学)
  • 遠藤直人(新潟大学大学院医学部機能再建医学講座・整形外科教室)
  • 清水克時(岐阜大学医学部整形外科)
  • 伊藤達雄(東京女子医科大学医学部整形外科)
  • 青木治人(聖マリアンナ医科大学整形外科)
  • 野原 裕(獨協医科大学越谷病院整形外科)
  • 阪本桂造(昭和大学医学部整形外科)
  • 落合直之(筑波大学臨床医学系(整形外科))
  • 古川賢一(弘前大医学部薬理学)
  • 藤原奈佳子(名古屋市立大学看護学大学院看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、脊柱靱帯骨化症に対して、これまでの特定疾患研究班の研究成果を踏まえつつ、基礎研究として原因遺伝子のさらなる絞り込みと骨関連タンパク質等の検討、臨床研究としては一般向けガイドラインの作成を行うことで、病態解明と診療体系の確立を意図するものである。
研究方法
 脊柱靭帯骨化症の診療に携わっている30を越える研究者に協力を要請し、主たる全国の施設でsib pairの収集を行う。同胞サンプルでは罹患同胞対法による連鎖解析を行う。non parametric linkage analysisを行い遺伝子座位を同定する。大家系サンプルではnon parametric linkage analysisで遺伝子座位を同定する。
 。一般向けガイドライン策定委員会を組織し、委員の選定とともに、関係団体などと意見を調整して、ガイドラインのデザインやスケジュールを決めていく。
 班内の多施設研究による研究として胸椎後縦靭帯骨化症の手術患者調査、頚椎後縦靭帯骨化症患者の神経障害悪化の因子調査、患者立脚型健康関連QOL尺度を用いた脊柱靭帯骨化症患者の痛みの実態調査を計画している。
結果と考察
 遺伝子解析では変形性関節症の遺伝子座位を同定できた新たな多型マーカーセットを整備した。サンプルの収集には36施設で登録が終了し、現在33のサンプル収集が行われた。倫理委員会の承認や実務体制の整備などで来年度からは全施設にてサンプル収集が可能となるため、今後の増加が期待できる。
一般向け診療ガイドライン策定に関しては患者支援団体から一般向け診療ガイドラインの作成について聞き取り調査を行った。次いで患者の会を通じて患者からのガイドラインに関する要望を募り、現在分析を行っている。今後医療関係のNPOなどの関係団体などと意見を調整して、ガイドラインのデザインやスケジュールを決めていく。
結論
 同胞相対危険度が30%近い本疾患では、罹患同胞対の収集は比較的容易なはずであり、多数の罹患同胞対を用いたノンパラメトリック連鎖解析は、現時点でとり得る最も有効な方法の一つであろう。そのため今後の班研究では分担研究者を大幅に増加することで、同胞・大家系例の収集を目指す。
 医療におけるパターナリズムの終焉によって治療が医師と患者の共同作業として捉えられ始めており、患者教育ならびに患者自身の治療選択権を行使する点からも一般向けガイドラインが強く望まれている。出版やインターネットなどによる公開でガイドラインの普及を目指す。

公開日・更新日

公開日
2006-06-12
更新日
-