L3分画および血流中癌細胞テロメラーゼを指標とした肝細胞癌のサーベランスの有用性

文献情報

文献番号
200500727A
報告書区分
総括
研究課題名
L3分画および血流中癌細胞テロメラーゼを指標とした肝細胞癌のサーベランスの有用性
課題番号
H17-肝炎-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
青柳 豊(新潟大学教育研究院医歯学系 医学部第三内科)
研究分担者(所属機関)
  • 恩地 森一(国立大学法人愛媛大学 医学部消化器内科)
  • 田中 榮司(国立大学法人信州大学 医学部消化器内科)
  • 高木 均(国立大学法人群馬大学 病態制御内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,920,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦の肝癌患者の約70%を占めるAFP産生性肝癌に対して,治療前後のAFP-L3分画ならびに血流中肝癌細胞のテロメラーゼ活性の動きに基づき治療法を選択し,肝癌患者の予後改善を図ることを目的とする.本方式による肝癌治療のアルゴリズムの確立は,肝癌の予後改善に寄与するとともに,これらを基盤とした適切な治療程度の確保と治療回数の減少は,結果として在院日数の短縮や医療費削減に寄与すると考えられる.
研究方法
各分担研究施設および関連施設の肝癌患者に対して治療前,治療後にAFP-L3分画および血流中肝癌細胞のテロメラーゼ発現を測定する.治療はマーカー陽性者においてはその陰性化を原則とする.追加治療は個々の肝予備能,マーカーの多寡により検討する.その際,肝予備能優先の基本原則を可能な範囲内で修正,変更する.AFP-L3分画はLBA法を用いて測定し,テロメラーゼ発現の測定は末梢血中癌細胞を磁気Beadsにより収集しRNA抽出後,RT-PCR法によりhTERT mRNAを増幅し検出する.測定された臨床データを前向きに集積し,各マーカーの治療前の多寡および治療後の低下率と,従来の画像診断より得られた肝癌の局所再発率および患者生命予後の関連について検討する.これらの検討により生物学的悪性度から見た予後良好群,不良群を設定し新しいスコアシステム,治療アルゴリズムの構築を試みる.
結果と考察
今後の治療アルゴリズム樹立の指針とすべく,平成17年度は肝細胞癌症例1,045例(新潟大学319例,愛媛大学279例,群馬大学271例,信州大学176例)について後向きに治療前後のAFP-L3分画およびPIVKA-Ⅱの多寡により生命予後を比較検討した.その結果,治療前AFP-L3分画およびPIVKA-Ⅱが有意な予後規定因子であることが確認された.また,治療後,AFP-L3分画陰性化例は持続陽性群に比較し有意に予後改善が認められ,治療後にAFP-L3分画陰性化を得ることが重要であることが示唆された.一方,テロメラーゼ発現に基づく血流中癌細胞の検出とそれが肝癌患者予後に与える影響に関しては,新潟大学で行った67症例のpilot studyにおいて,予後規定因子として重要であることが示唆されており,現在,各分担研究施設においても前向きに症例の蓄積を行っている.
結論
肝癌症例1,045例の解析により肝癌患者の予後規定因子としてのAFP-L3分画の重要性が確認された.テロメラーゼ発現を指標とした末梢血中癌細胞の検出についても,新潟大学で行われたpilot studyにおいて予後規定因子としての重要性が示唆された.

公開日・更新日

公開日
2006-05-15
更新日
-