HIV診療支援ネットワークを活用した診療連携の利活用に関する研究

文献情報

文献番号
200500679A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV診療支援ネットワークを活用した診療連携の利活用に関する研究
課題番号
H17-エイズ-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 昌範(国立国際医療センター医療情報システム開発研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部付属病院医療情報ネットワーク研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インターネットを介してセキュリティを保った状態で施設同士をつなぐ技術である仮想専用線網の研究報告も医療分野においては、ほとんど行われていなかったが、現在ではさらに安全な技術が開発されており、A-netにおけるセキュリティ技術水準は過去のものになりつつある。したがって、今までの研究や運用で判明した問題点を検討し、早急に2005年の技術水準を適応するための技術的研究開発や運用面での改善の調査実証を目的とする。
研究方法
A-netには平成18年3月現在で500症例以上が登録されている。この電子カルテは診療機会毎の症状のみならず、治療行為、ウイルス量などの検査結果等いわゆる臨床試験に必要なデータが、1患者1カルテとして、複数の病院を統一してすべて記録されているシステムであり、その累計データ数は月毎に増加し続けている。この利用状況と運用上の問題点を調査する。一方、蓄積された情報を二次利用する際に可搬媒体を利用することを想定しその安全管理のモデルとするために、電子化診療情報提供書と患者への情報提供書をとりあげ、その安全管理の手段として電子署名と暗号化の手法を検討した。
結果と考察
A-netは509症例が登録されており、このA-netの電子カルテは、各診療機会毎の症状のみならず、治療行為、ウイルス量などの検査結果等いわゆる臨床試験に必要なデータが、1患者1カルテとして、複数の病院を統一してすべて記録されているシステムであり、その累計データ数は月毎に増加し続けており、現在で28582データになっている)。一方、平成17年度のアクセス数は総計13299アクセスで、一人当たり1年間に105.9回アクセスしていることになる。その結果、ハード面では老朽化が進みサーバの負荷も99%と限界ギリギリになっている状況であった。また、データの二次利用に備えて、可搬媒体での情報の安全管理の研究として、個人情報保護法に基づいたセキュリティ設計として(1)可搬媒体での提供書モデル、(2)電子署名規格、(3)暗号化規格の作成を行った。これらの技術を応用することで、A-net利用者以外の研究拡大につなげたい。
結論
A-netは、1998年度に構築されたため、ITの進歩や個人情報保護法等を踏まえ、技術的に新たな問題点が生じていた。本研究は、今までの研究や運用で判明した問題点を検討し、臨床現場での安全な運用と3万件弱の蓄積データの有効利用が可能になるように、現在の技術水準を適応するための技術的研究開発や運用面での改善を図るための方策を検討した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
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