知的障害者の地域移行を困難にする二次的障害とその対策に関する研究

文献情報

文献番号
200500595A
報告書区分
総括
研究課題名
知的障害者の地域移行を困難にする二次的障害とその対策に関する研究
課題番号
H16-障害-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 浩(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設 のぞみの園)
研究分担者(所属機関)
  • 網野 豊(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
  • 田中道郎(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
  • 加我牧子(国立精神・神経センタ-)
  • 西脇俊二(国立秩父学園)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
知的障害者の地域移行を推進するにあたり、二次的障害を持つ知的障害者の実態を明らかにし、地域移行対策としての福祉・医療の両面にわたる具体的支援内容や方法及びその支援体制に関して提言する。
研究方法
田中班…入所施設及びグル-プホ-ムの利用者を対象に、ICFの視点からのアンケ-ト調査(事前調査及び本調査)を実施した。
加我班…専門医による知的障害者の視聴覚健診を実施した。健診を通して治療あるいは精密検査を必要とする障害者の頻度や原疾患について調査した。
西脇班…自閉症児で地域移行が困難な例の各ライフステ-ジ及び生活環境の変化における行動障害とその支援についての調査を実施した。
網野班…群馬県内で知的障害者の医療ネットワ-クをつくるために関係者(施設、県医師会、障害者団体、群馬県庁等)が一堂に会する場として「群馬県知的障害者の医療を考える会」を結成し、調査や議論を通して論点を整理した。
結果と考察
田中班…ICFは第2レベル233項目のアンケ-ト調査を実施した。知的障害者の二次的障害の傾向を把握した。決定木分析でのぞみの園とグル-プホ-ムを分割する最初の独立変数として報酬を伴う仕事の実行という項目を含め、計10項目が選択された。
加我班…知的障害者を対象とする視聴覚健診は、広汎な地域や施設での検討が必要であり、長期的には公的なシステムの構築を目指す必要があると考えられた。
西脇班…入所児者の行動問題に関し、PEP-Rでコミュニケ-ションの質的改善、JSI-Rで聴覚を除く感覚機能の改善が認められ、行動障害と感覚機能の関連性が示唆された。
網野班…議論の過程で障害者を医療機関へ橋渡しをする役目のコ-デイネ-タ-の役割や医療側への理解浸透のための医療サポ-ト手帳や事例集作成の必要性が強調された。
結論
田中班…事前調査における項目精査や回答選択肢削除の根拠等の検討を行い二者択一とする本調査用紙を作成し全国調査を実施した。
加我班…予約制眼科専門外来は地域で生活する際に必要な専門的医療を提供できる場を整備する際のモデルとしても有意義な取り組みである。
西脇班…アウトリ-チは一定の効果があったが、地域中心型のCBRは支援が地域の実情を考慮したものかが重要であると考えられた。
網野班…嘱託医を対象にしたアンケ-ト調査まとめる一方、「群馬県知的障害者の医療を考える会」の会議を計3回実施し、議論を前進させ具体策への道筋をつけた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
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