精神病院・社会復帰施設等の実態把握及び情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200500578A
報告書区分
総括
研究課題名
精神病院・社会復帰施設等の実態把握及び情報提供に関する研究
課題番号
H15-障害-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部)
研究分担者(所属機関)
  • 立森 久照(国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部)
  • 佐藤 忠彦(桜ヶ丘記念病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省精神保健福祉課が毎年6月30日付けで行っている調査(以下、630調査という)に研究面より関与し、精神保健福祉の現況と施策効果をモニタリングし、総合的に評価していくことを目的とした。
研究方法
15年度630調査から精神病院、精神科デイケア、社会復帰施設等の状況について分析する。また630調査実施の効率化を図るため、電子化した調査票案を作成し検討した。さらに精神科医療機関における診療情報開示試案について現場の実状や欧米の資料を踏まえ検討する。
結果と考察
日本の精神病院・社会復帰施設等の実態を明らかにするとともに、精神保健医療福祉体系の再編の達成に向けて、進行管理のための基盤データを提示した。全国ほぼすべての精神科病院・精神科診療所等・社会復帰施設等の実態と課題を明らかにすることができ、変革期にある日本の精神福祉行政の一定の指標となると思われる。また電子化した調査票を試行・検討した結果、いくつかの点で改良の余地があるが、630調査の効率化に十分寄与すると考えられる。精神科診療情報の提供と開示に関するガイドラインを作成することができた。これにより良質な精神保健医療福祉サービスの提供とアクセスの改善に大きく寄与することができると考えられる。
結論
15年度630調査結果から精神病院・社会復帰施設等の実態を明らかにした。また今後の調査の効率化を図るための電子化した調査票を作成した。さらに精神科医療施設におけるインフォームド・コンセントと情報開示のガイドラインを明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200500578B
報告書区分
総合
研究課題名
精神病院・社会復帰施設等の実態把握及び情報提供に関する研究
課題番号
H15-障害-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 弘人(国立保健医療科学院)
  • 立森 久照(国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部)
  • 佐藤 忠彦(桜ヶ丘記念病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省精神保健福祉課が毎年6月30日付けで行っている調査(以下、630調査という)に研究面より関与し、精神保健福祉の現況と施策効果をモニタリングし、総合的に評価することを目的とした。また良質な精神保健医療福祉サービスの提供に関して、第三者による病院機能評価認定病院の中で、精神科病床を持つ病院が、病院機能評価の情報提供をどのように認識しているかを明らかにすること、精神科医療施設における診療情報開示のガイドラインを作成することを目的とした。
研究方法
15年度630調査から精神病院、精神科デイケア、社会復帰施設等の状況について分析した。630調査実施の効率化を図るため、電子化した調査票案を作成し検討した。さらに病院機能評価認定病院の中で、精神科病床を持つ病院に情報提供に関する調査を行った。また精神科医療機関における診療情報開示試案について現場の実状や欧米の資料を踏まえ検討した。
結果と考察
日本の精神病院・社会復帰施設等の実態を明らかにするとともに、精神保健医療福祉体系の再編の達成に向けて、進行管理のための基盤データを提示した。全国ほぼすべての精神科病院・精神科診療所等・社会復帰施設等の実態と課題を明らかにすることができ、変革期にある日本の精神福祉行政の一定の指標となると思われる。電子化した調査票については試行・検討した結果、いくつかの点で改良の余地があるが、630調査の効率化に十分寄与すると考えられる。精神科病床を持つ病院機能評価認定病院の多くで情報提供の必要性は認識されており、今後はその具体的な方法を検討する必要がると考えられる。また精神科診療情報の提供と開示に関するガイドラインを作成することができた。これらにより良質な精神保健医療福祉サービスの提供とアクセスの改善に大きく寄与することができると考えられる。
結論
15年度630調査結果から精神病院・社会復帰施設等の実態を明らかにした。また今後の調査の効率化を図るための電子化した調査票を作成した。さらに精神科病床を持つ病院機能評価認定病院の多くで情報提供の必要性は認識されていた。精神科医療施設におけるインフォームド・コンセントと情報開示のガイドラインを明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500578C

成果

専門的・学術的観点からの成果
厚生労働省精神保健福祉課が毎年行っている調査に研究面より関与し、精神保健福祉の現況と施策効果をモニタリングし、総合的に評価していく基盤を整備した。また、精神保健医療福祉の改革に示された「精神保健医療福祉体系の再編の達成目標」として示された平均残存率、退院率を達成することと、10年間で約7万床相当の病床数の減少を促すことの妥当性を検証することに寄与した。
臨床的観点からの成果
精神科病院、精神科診療所、精神科デイケア、社会復帰施設、措置入院制度の運用実態を資料にまとめ、資料として提供することにより、臨床活動の活性化に寄与した。
「精神科診療情報の提供と開示に関する指針(試案)」の作成に至る検討過程をとおして、精神科医療におけるインフォームドコンセントと情報開示のガイドライン作成の重要性を精神科医療機関および関係学会・諸団体に提示し、臨床面から精神医療の透明性の向上に寄与した。
ガイドライン等の開発
厚生労働省精神保健福祉課が毎年行っている調査の電子媒体による調査票の開発を行った。
精神科医療の臨床現場で実効性のある「インフォームド・コンセント」と「カルテ開示」の指針として、文献検討、実態把握、試案作成後のアンケート調査等を経て、「精神科診療情報の提供と開示に関する指針(試案)」を作成した。
その他行政的観点からの成果
本研究の成果は、精神保健福祉対策本部「精神保健福祉の改革に向けた今後の対策の方向」、厚生労働省障害保健福祉部「精神病床等に関する検討会」最終まとめ、精神保健福祉対策本部「精神保健医療福祉の改革ビジョン」、厚生労働省障害保健福祉部「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」の資料として活用された。また、厚生労働省省令「医療法施行規則の一部を改正する省令」、厚生労働省告示「医療法第三十条の三第二項第三号に規定する精神病床に掛かる基準病床数の算定に使用する数値等」に活用された。
その他のインパクト
精神保健医療福祉の改革ビジョンが示されたが、改革の進捗状況をフォローアップし、政策に反映していくための基盤となるデータの整備が求められている。本研究によって、今後本格化する精神保健医療福祉の改革のベースラインとなるデータを提供することができた。また、根拠に基づいた精神保健医療福祉の改革を進めるため、改革の進捗状況をフォローアップする方法論を示した。

発表件数

原著論文(和文)
6件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
5件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
6件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
竹島正
精神科医療と福祉-現状と展望
日精協誌 , 22 , 329-334  (2003)
原著論文2
竹島正
精神保健計画部とモニタリング研究
精神保健研究 , 49 , 5-9  (2003)
原著論文3
立森久照,竹島正,須藤浩一郎他
精神科病院の機能に関する研究
日精協誌 , 22 , 754-766  (2003)
原著論文4
佐藤忠彦
精神科カルテ開示の新たな段階
臨床精神医学 , 32 , 37-48  (2003)
原著論文5
佐藤忠彦
精神科カルテ開示の新たな段階と課題-厚生科学研究の報告から
日精協誌 , 23 , 195-200  (2004)
原著論文6
佐藤忠彦
個人情報保護法制下の精神科情報開示
日精協誌 , 24 , 684-689  (2005)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-