局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究

文献情報

文献番号
200500498A
報告書区分
総括
研究課題名
局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-027
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 治文(東京医科大学病院外科第一講座)
研究分担者(所属機関)
  • 一瀬 幸人(国立病院九州がんセンター腫瘍外科)
  • 岡田 守人(兵庫県立成人病センター呼吸器外科)
  • 小池 輝明(新潟県立がんセンター新潟病院腫瘍外科)
  • 近藤 丘(東北大学加齢医学研究所呼吸器外科)
  • 鈴木 健司(国立がんセンター中央病院呼吸器外科)
  • 多田 弘人(大阪市立総合医療センター呼吸器外科)
  • 中川 勝裕(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科)
  • 光冨 徹哉(愛知県がんセンター腫瘍外科)
  • 吉田 純司(国立がんセンター東病院呼吸器外科)
  • 國頭 英夫(国立がんセンター中央病院呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
37,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)奏効率・毒性の異なる二種類の化学療法レジメンから術前・術後化学療法への適性を検討し、臨床第Ⅲ試験の試験治療を決定する。
2)病理病期(p-Stage)IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後化学療法の安全性および有用性を検証し、本邦における術後化学療法レジメンの妥当性を検討する。
3)臨床病期(c-Stage)IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前化学療法の有用性を検討する。
研究方法
2) 本研究では、まず術後の標準的化学療法レジメンを決定する比較試験(研究A)を行った後、先に決定された術前化学療法+手術群を手術+術後補助療法群を対照とした比較試験(研究B)で検証する。エンドポイントは生存率もしくは無再発生存割合。研究Aの予定登録は1群400例、合計800例; 2年間で症例集積を行い、集積終了時点で中間解析を行う。引き続き、研究Bを行う。ここでもエンドポイントは生存率。予定登録は1群150例、合計300例; 2年間で症例集積を行い、集積終了時点で中間解析を行う。5年生存率を算定できるまで症例集積治療及び追跡を行って最終解析を行う。
結果と考察
3) 本年度は、本邦におけるIB-IIIA期非小細胞癌完全切除例の術後補助化学療法に妥当なレジメンを決定する大規模臨床試験(本研究A)の実施計画書を作成した。本試験は、UFTを2年間内服する治療法(標準的治療群)とプラチナ化合物を含む2剤併用化学療法の一つであるカルボプラチンとパクリタキセル(CP療法)を4コース行う治療法(試験治療群)の有効性を比較、検証する。これは術後補助療法として比較的毒性の少ない抗がん剤を長期投与することが良いのか、あるいは相応の毒性のある抗がん剤を進行癌と同様に短期的に投与するのが良いのかという術後補助治療コンセプトあるいは効果のメカニズムに関わる重要な情報を提供する可能性があり、研究の意義は大きい。また、この試験の結果は手術対象病期の非小細胞肺癌の標準的治療を確立するものであり、一般診療に情報還元するとともに、今後の臨床試験のデザインの礎となると予想される。また、これと並行して、CP療法の認容性、安全性に関わる臨床第Ⅱ相試験を個別研究として行った。現時点では最終結果は得られていないが、これらの情報から第Ⅲ相試験ではより完遂率が高く安全と思われる投与量を決定する。
結論
 本研究(研究A)は、2006年3月末現在試験実施計画書作成中であり、本研究の結論は得られていない。

公開日・更新日

公開日
2006-05-11
更新日
-