小児難治性腎疾患に対する薬物療法ガイドライン作成のための多施設共同研究と臨床試験体制整備

文献情報

文献番号
200500442A
報告書区分
総括
研究課題名
小児難治性腎疾患に対する薬物療法ガイドライン作成のための多施設共同研究と臨床試験体制整備
課題番号
H15-小児-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 徳茂(和歌山県立医科大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 隆(東京大学 医学部)
  • 飯島 一誠(成育医療センター)
  • 池田 昌弘(東京都立清瀬小児病院)
  • 川村 孝 (京都大学保健管理センター)
  • 中村 秀文(成育医療センター)
  • 本田 雅敬(東京都立八王子小児病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
26,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、多施設によるランダム化比較試験により、IgA腎症、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、頻回再発型ネフローゼ症候群の有効で副作用の少ない薬物療法を開発し、治療ガイドラインを作成することである。
研究方法
本年度は、毎月1回のモニタリングレポートを発行し、モニタリングレポートの内容から、進捗状況を把握すると同時に、臨床試験の実施上の問題点を抽出した。進捗の遅れが見られたために、各施設への調査を実施し、その結果も踏まえて、2005年11月6日に実施された全体班会議にて、各施設からの意見聴取を行い、問題点の整理、解決策の検討を行い、必要な対応をおこなった。
結果と考察
当初遅れていた症例登録のスピードも、IgA腎症及び頻回再発型ネフローゼ症候群の臨床試験については、全体班会議後は確実に上がり、予定期間での終了が可能な登録スピードとなった。学会誌での広告・臨床試験の周知・啓発を実施しさらに症例登録を進め、またエビデンスを作るための臨床試験についての啓発も行っている。
結論
本研究班により、3つの質の高い臨床試験の実施が実現したのみならず、小児腎臓病領域における臨床試験に関する意識を根本的に変え、EBMに関して世界のリーダーシップを取れるべき体制整備が行われた。今後もこの体制を維持し、3試験の結果を国際的一流ジャーナルへ投稿する予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200500442B
報告書区分
総合
研究課題名
小児難治性腎疾患に対する薬物療法ガイドライン作成のための多施設共同研究と臨床試験体制整備
課題番号
H15-小児-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 徳茂(和歌山県立医科大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 隆(東京大学 医学部)
  • 本田 雅隆(東京都立八王子小児病院)
  • 飯島 一誠(成育医療センター)
  • 池田 昌弘(京都立清瀬小児病院)
  • 中村 秀文(成育医療センター)
  • 川村 孝(京都大学 保健管理センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、多施設によるランダム化比較試験により、IgA腎症、ステロイド抵抗性ネフ
ローゼ症候群、頻回再発型ネフローゼ症候群の有効で副作用の少ない薬物療法を開発し、
治療ガイドラインを作成することである。
研究方法
平成15年度は、治療研究を実施するために必要な、30施設からなる、臨床試験ネットワーク
を構築した。平成16年度は治療研究実施計画書、説明同意文書、アセント文書、症例登録
票、治療経過報告書、追跡調査書、有害事象緊急報告書を作成し治療研究を開始した。平
成17年度は、各試験において、組み入れ基準、除外基準、中止基準などの妥当性などにつ
いて検討し、修正した。
結果と考察
当初遅れていた症例登録のスピードも、IgA腎症及び頻回再発型ネフローゼ症候群の臨床
試験については、全体班会議後は確実に上がり、予定期間での終了が可能な登録スピード
となった。学会誌での広告・臨床試験の周知・啓発を実施しさらに症例登録を進め、またエビ
デンスを作るための臨床試験についての啓発も行っている。
結論
本研究班により、3つの質の高い臨床試験に実施が実現したのみならず、小児腎臓病領域
全体の臨床試験に関する意識も根本的に変え、EBMに関して世界のリーダーシップを取れる
べき体制整備が行われた。今後もこの体制を維持し、3試験の結果を国際的一流ジャーナル
へ投稿する予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500442C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究の目的は、多施設によるランダム化比較試験により、IgA腎症、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、頻回再発型ネフローゼ症候群の有効で副作用の少ない薬物療法を開発し、治療ガイドラインを作成することである。治療研究を実施するために必要な、30施設からなる、臨床試験ネットワークを構築し、治療研究実施計画書、説明同意文書、アセント文書、症例登録票、治療経過報告書、追跡調査書、有害事象緊急報告書を作成し質の高い臨床試験の実施が実現した。
臨床的観点からの成果
これら小児難治性腎疾患の大部分は後天的疾患であり、薬物療法が有効である可能性がある。したがって、後天性小児難治性腎疾患の適切な薬物療法を研究・開発することは、患児の健康を保持し、QOLを改善させ、医療費を節減するだけでなく、健全な小児の育成という母子保健の目標にも適し、社会への大きな貢献となった。Q&Aの施設への配布は、プロトコルの理解を均一にするのみならず、一般的な治療の均霑化にも有用であると考えられた。
ガイドライン等の開発
小児ネフローゼ症候群の診療を支援するために、本研究班メンバーが中心になり、日本小児腎臓病学会のEBMに基づいた「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」(日本小児科学会雑誌109: 1066, 2005、日本腎臓学会誌47:790, 2005)を作成した(研究成果の別刷り参照)。より質の高いガイドラインにするために、今回実施中の臨床試験の結果に基づいて、治療ガイドラインを改訂する予定である。
その他行政的観点からの成果
本研究班により、3つの質の高い臨床試験に実施が実現したのみならず、小児腎臓病領域全体の臨床試験に関する意識も根本的に変え、EBMに関して世界のリーダーシップを取れるべき体制整備が行われた。今回の試験ではプロトコールや品質管理のレベルが上がっていることから、国際的一流ジャーナルに投稿可能な質のものとなると思われる。
その他のインパクト
本研究班のこれまでの成果を公表するために、一般向け研究成果発表会「小児腎臓病治療の進歩」を、2006年2月東京と大阪でおこなった。現在、研究発表会記録集を作成中で、患者さんに配布予定である。

発表件数

原著論文(和文)
23件
原著論文(英文等)
22件
その他論文(和文)
80件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
148件
学会発表(国際学会等)
20件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-