保育所、学校等関係機関における虐待対応のあり方に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500425A
報告書区分
総括
研究課題名
保育所、学校等関係機関における虐待対応のあり方に関する調査研究
課題番号
H16-子ども-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
才村 純(恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
児童虐待防止法の改正等により、学校や児童福祉施設における虐待防止に向けたより一層積極的な取組みが求められている。
このため、幼稚園、小学校、中学校、保育所、放課後児童健全育成事業を実施している児童館を対象に、虐待事例への対応実態、関係教職員の意識等を把握し、それぞれの実態に即した対応ガイドラインを作成する。
研究方法
平成17年度には、全国の幼稚園、小学校、中学校を対象に質問紙調査を実施し(5%の無作為抽出)、それぞれの施設における虐待対応の実態や教職員の意識を横断的に把握した。
結果と考察
・回収状況(回収数/質問紙調査票送付数:幼稚園351/700,小学校/1,013/1,158,中学校439/515、全体回収率76.0 %)
・意識調査回答者数:幼稚園1,654人、小学校12,826人、中学校4,230人
・過去3年半における虐待事例遭遇状況:幼稚園72園(20.5%)107人、1園当り1.7人、小学校357校(35.2%)668人、1校当り2.0人、中学校121校(27.6%)240人、1校当り2.1人
・先行研究(平成14・15年玉井邦夫、文部科学研究費補助金)と比較したが、ネグレクトの増加が顕著であり、ネグレクトに対する教職員の理解の進展が伺えた。
・先行研究に比して児童相談所や福祉事務所等への通告・連絡・相談ケースが大幅に増加しており、また、施設種別に関わらず殆どの事例においてこれらの機関との連携が図られているなど、連携について教職員の積極姿勢が伺えた。
・制度の内容や虐待防止ネットワークの存在を知らない教職員が多く、一層の啓発を図る必要がある。
・ビネット調査では、身体的虐待や性的虐待のみならず、ネグレクトや心理的虐待に対する理解も進み、通告に積極的であることが明らかになった。ただ、同じ行為であっても性別や虐待事例への対応経験の有無などによって認識に有意な差が認められ、ノウハウのシェアを含め一層の啓発が必要と考えられた。
結論
平成18年度には保育所、児童館を対象に基本的に今回と同一の質問項目で調査を行い、今回対象とした幼稚園、小学校、中学校と合わせて、各施設種別の対応構造や教職員の意識構造の共通点や相違点を明らかにし、各施設種別の実情に適った虐待対応ガイドラインを策定する予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
-