小児難治性腎尿路疾患の早期発見、診断、治療・管理に関する研究

文献情報

文献番号
200500405A
報告書区分
総括
研究課題名
小児難治性腎尿路疾患の早期発見、診断、治療・管理に関する研究
課題番号
H16-子ども-015
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
五十嵐 隆(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松山健(公立福生病院小児科)
  • 伊藤雄平(久留米大学医学部附属医療センター小児科)
  • 塚原宏一(福井大学医学部小児科)
  • 中井秀郎(獨協医科大学越谷病院泌尿器科)
  • 飯島一誠(国立成育医療センター腎臓科)
  • 塚口裕康(徳島大学医学部病態情報医学)
  • 関根孝司(東京大学大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻小児医学講座)
  • 吉川徳茂(和歌山県立医科大学小児科)
  • 本田雅敬(東京都立八王子小児病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,951,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)現行の小児難治性腎尿路疾患の早期発見システムである腎臓病学校検診をより有効性の高いシステムに改善する。
2)小児難治性腎尿路疾患に対する有効な治療ガイドラインを作成し、慢性腎不全への進行を防止する。
3)先天性腎疾患の診断に必要な遺伝子診断のシステムを構築する。
4)小児期末期腎不全患者の総括的治療システムを構築し、患児の健康の保持と増進、QOLの改善を目指す。小児の腎不全治療の標準化を図る。
研究方法
1) 2次検尿で有所見者を効率的にピックアップできるシステムを検討する。
2) 上部尿路感染の腎障害メカニズムを解明する。小児のVUR患者の長期的予後を明らかにする。
3) 一般臨床家に役立つ“先天性腎疾患診療の手引き”を作成する。遺伝性腎症の原因遺伝子の異常を解析する。
4) 小児慢性腎不全データベースを構築する。被嚢性腹膜硬化症、成長障害、骨障害などの実態を調査し、治療法の改善を図る。平成16年度に作成した小児PD治療マニュアルを改善する。
結果と考察
1) 血尿の診断ガイドラインを作成した。大都市においても腎臓病検診有所見者の予後調査が可能となるシステムの基礎を構築した。
2) 腎盂腎炎の際に産生される酸化ストレスが腎障害を有することと膀胱尿管逆流患者の長期的予後を明らかにした。
3) 先天性腎疾患のデータベースを構築し、電子カルテ上で使用できるシステムを作成した。遺伝性腎症の原因遺伝子の異常を多数の患者において明らかにした。
4) 小児慢性腎不全の治療に用いられる腹膜透析(PD)マニュアルを作成し、関係者に配布した。小児PDの治療成績が世界一を誇るわが国においても、小児PDを有効に安全に行うことの出来る限界が8年間であることを明らかにした。
結論
1) 血尿の診断ガイドラインはわが国ではじめてのガイドラインであり、多くの医師にとって有用である。
2) 腎盂腎炎が腎に障害を与える際の分子機序を明らかにしたことは学術的に画期的である。小児のVUR患者の長期的予後を明らかにしたことはわが国初の成果である。
3) 複数の患者の原因遺伝子の変異を明らかにしたことは、臨床への還元という意味だけでなく、これらの疾患の分子的発症機序をより深く理解する上で学術的意義が高い。さらに、Dent病の原因となる新たな遺伝子を明らかにした。遺伝性腎疾患のデータベースを作成した。
4) 小児のPDマニニュアルの作成と普及はわが国の小児腎不全管理のゴールドスタンダードとなる。

公開日・更新日

公開日
2006-10-17
更新日
-