従来型施設における痴呆性高齢者環境支援指針の適用による環境改善手法の開発と効果の多面的評価

文献情報

文献番号
200500360A
報告書区分
総括
研究課題名
従来型施設における痴呆性高齢者環境支援指針の適用による環境改善手法の開発と効果の多面的評価
課題番号
H16-痴呆・骨折-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
足立 啓(和歌山大学システム工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 湯沢 八江(国際医療福祉大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特別養護老人ホームは、平成14年度から個室・ユニットケア対応のいわゆる「新型特養」として制度化された。しかしながら全国の5000箇所を超える施設の大半は、病院モデルを基本とする大規模な従来型であり、ユニット化や小規模化の実態も十分に把握されていない。
本研究では、従来型施設におけるユニット化やケア環境の実態や課題を把握し、小規模、個別的対応を可能としうる環境改善手法の開発とその多面的評価を試みることを目的とする。
研究方法
平成17年度の研究方法と概要を以下に示す。

1)従来型施設のユニットケア実践の現状把握と環境改善手法の検討
2)従来型施設を対象とした認知症ケア研修プログラム開発と環境改善の多面的評価 
3)従来型施設における環境支援指針(PEAP)適用による環境づくり
4)従来型施設の環境改善の有効性に関する研究
5)来型施設における家庭らしさ(Homelike)に関する研究
6)高齢者施設における感染管理の実態と課題
結果と考察
主要な研究結果と考察を下記に示す。

1)従来型施設におけるユニットケア実施による職員や入居者への効果や課題を抽出した。
2)今後のユニット化実施における環境改善手法、プロセスを提示するとともに、ユニット化コスト事例の検討を行った。
3)従来型施設を対象とした「認知症ケア・環境改善研修プログラム」を大阪府社会福祉協議会と共同で開発し、その学際的、多面的評価を行った。
4)従来型ユニットケア施設において、環境―行動調査を実施し、入居者、介護職員への効果測定を行い、概ねその有効性を確認した。
結論
結果と考察で記したように、従来型施設であっても、小規模ユニット化や環境改善による入居者や介護職員へのポジティブな影響の有意性が認められた。また、ユニットケアや環境改善の効果を拡張化するには、環境改善に対する施設長の理解や職員の共有意識の醸成が不可欠であり、そのための研修プログラムが重要であることも確認された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200500360B
報告書区分
総合
研究課題名
従来型施設における痴呆性高齢者環境支援指針の適用による環境改善手法の開発と効果の多面的評価
課題番号
H16-痴呆・骨折-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
足立 啓(和歌山大学システム工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 湯沢 八江(国際医療福祉大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特別養護老人ホームは、平成14年度から個室・ユニットケア対応のいわゆる「新型特養」として制度化された。しかしながら全国で5000箇所を超える施設の大半は、病院モデルを基本とする大規模な従来型であり、ユニット化や小規模化の実態も十分に把握されていない。
本研究では、従来型施設におけるユニット化やケア環境の実態や課題を把握し、小規模、個別的対応を可能としうる環境改善手法の開発とその多面的評価を試みることを目的とする。
研究方法
研究内容は以下に示す4つのテーマに大別され、合計16の分担・協力研究報告から構成される。

1)従来型施設におけるユニットケアの実態と環境改善手法の検討(3報告)
2)従来型施設におけるユニット化研修プログラム開発と環境改善プロセスの多面的評価(5報告) 
3)従来型施設における環境改善に伴う高齢者および職員の環境行動(6報告)
4)高齢者施設における感染管理(2報告)
結果と考察
主要な研究結果と考察を下記に示す。

1)従来型施設へのユニットケアに関する全国悉皆アンケート調査によって、その実態と課題を明らかにした。また、今後ユニットケアを実施する場合の環境改善手法、プロセス、ユニット化コストなどの検討を行った。
2)従来型施設を対象とした「認知症ケア・環境改善研修プログラム」を大阪府社会福祉協議会と共同で開発し、その学際的、多面的評価を行った。
3)従来型施設で環境改善やユニットケア実施による職員や入居者への影響や課題を環境行動の視点から検討し、その有効性を確認した。
4)高齢者施設におけるユニット型施設と従来型施設の感染管理の実態を把握するとともに、感染管理のあり方を考察した。
結論
全国悉皆調査で従来型施設におけるユニットケアの実態と課題を明らかにした。従来型施設であっても、小規模ユニット化や環境改善による入居者や介護職員へのポジティブな影響の有意性が認められた。また、ユニットケアや環境改善の効果を拡張化するには、環境改善に対する施設長の理解や職員の共有意識の醸成が不可欠であり、そのための研修プログラムが重要であることも確認された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500360C

成果

専門的・学術的観点からの成果
従来型施設の環境改善手法の開発と効果の多面的評価を行った。従来型施設でも環境改善やユニット化により、認知症高齢者のQOL向上や周辺症状の改善に寄与することが示唆された。成果は国内では建築学会、老年社会科学会などで発表し、認知症ケア学会では石崎賞を受賞した。海外では、研究協力者のワイズマン教授(ウィスコンシン大学)とともに、EDRA(国際環境デザイン学会)などの国際学会を通じて研究成果や知見を公表する。
臨床的観点からの成果
多床室、長い廊下、大食堂などから構成される従来型施設を、小規模化、脱施設化する居住環境改善の手法や指針を示した。また、小規模、環境改善による認知症周辺症状の低減化も示唆された。従来型施設を環境改善やユニット化する際には、制約条件も多く専門的な職員研修が不可欠となる。このため、大阪府社会福祉協議会と協同し、職員研修プログラムを開発し、他機関研修にも利用できるように同マニュアルも作成した。
ガイドライン等の開発
個室ユニットケアの新型特養を対象とした研修プログラムは、国(認知症介護研修研究東京センター)で実施されている。しかしながら、ユニット化されていない圧倒的多数の従来型施設職員を主な対象とした「認知症・ユニットケア職員研修」は全国的にもないので、大阪府社会福祉協議会と協同し、プログラムを開発するとともに、他機関研修にも利用できるように同マニュアルも作成した
その他行政的観点からの成果
従来型施設におけるユニットケア実践に関する全国実態調査は、今まで実施されたことはなかった。本研究の一環である全国悉皆アンケート調査(対象5300施設)の基礎的データや研究知見は、2006年4月の介護保険制度見直しの際に貴重な行政的基礎資料を提供することができた。
その他のインパクト
各種学会だけでなく、施設職員や実務者研修などの講演会(大阪府社会福祉協議会など)で介護、医療現場への知見の提供を行う

発表件数

原著論文(和文)
7件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
41件
学会発表(国際学会等)
12件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
痴呆ケア標準テキスト 痴呆ケアの実際Ⅱ:各論「施設における環境支援」(日本痴呆ケア学会編;(株)ワールドプランニング)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
田辺毅彦、足立啓、大久保幸積
特別養護老人ホーム介護スタッフのユニットケア環境移行後のバーンアウトの検討
日本老年社会科学会 , 27 (3)  (2005)
原著論文2
加藤悠介、今井朗、石川進、森一彦、足立啓
特別養護老人ホームの環境改善が認知症高齢者の行動に及ぼす影響
日本認知症ケア学会誌 , 5 (2)  (2006)
原著論文3
森一彦、加藤悠介、足立啓
特別養護老人ホームにおける「環境診断―環境処方」に関する実践的研究
日本建築学会地域施設計画研究シンポジウム ,  (21) , 303-308  (2005)
原著論文4
田辺毅彦、足立啓、田中千歳、大久保幸積、 松原茂樹
特別養護老人ホームにおけるユニットケア環境移行が介護スタッフの心身に与える影響                   -バーンアウトとストレス対処調査-
日本認知症ケア学会誌 , 4 (1) , 17-23  (2005)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-