要介護認定における要支援及び要介護1の要介護度の推移の状況とその要因からみた介護予防プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500336A
報告書区分
総括
研究課題名
要介護認定における要支援及び要介護1の要介護度の推移の状況とその要因からみた介護予防プログラムの開発に関する研究
課題番号
H17-長寿-024
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
和泉 京子(大阪府立大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 阿曽 洋子(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 津村 智恵子(大阪市立大学医学部看護学科)
  • 上野昌江(大阪府立大学看護学部)
  • 山本美輪(明治鍼灸大学看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
要介護認定における要支援及び要介護1認定者の要介護度の推移の状況とその要因を明らかにし、その要因を基に介護予防プログラムを開発すること。
研究方法
1)研究デザイン:前向きコホート研究、2)対象:大阪府下で承諾を得た22市町村の要介護認定における平成16年8月から12月の要支援認定者5,130人、要介護1認定者5,734人の合計10,864人、3)方法:郵送調査、4)調査内容:身体的・心理的・社会的・環境の側面の項目、5)期間:初回調査・・平成16年度、1年後調査・・平成17年度、平成17年度は3年計画の1年次であり、初回調査により、要支援及び要介護1認定者の身体的・心理的・社会的・環境の側面の把握を行った。 
結果と考察
調査票回収数は、要支援が3,878人、要介護1が3,724人で合計7,602人(回収率70.0%)であった。身体的側面は、排泄の失敗が「ある」が要支援の35.0%、要介護1の48.7%を占め、咀嚼能力では「あまりかめない」「ほとんど又はまったくかめない」が要支援の31.6%、要介護1の37.8%を占めていた。心理的側面は、主観的健康感は要支援の65.0%、要介護1の68.9%が「あまり健康ではない」「健康ではない」と回答し、高齢者抑うつ尺度得点は要支援及び要介護1ともに平均値が抑うつ傾向を示す2点を超えていた。社会的側面は、外出頻度の「1週間に1回未満」は要支援の15.0%、要介護1の29.9%を占めていた。以上は一例であるが、要支援に比べ要介護1は、健康水準が低いことが示され、同じ新予防給付対象者であっても違いがみられた。また、要介護の一因となりうる、排泄の失敗、咀嚼能力の低下、抑うつ、閉じこもり等についての、要支援及び要介護1認定者の実態が明らかになった。
結論
要支援及び要介護1の諸側面の実態を調査した。要支援および要介護に関する要介護度の推移の状況とその要因は、平成17年度1年後調査の結果とあわせ明らかにしていきたい。初回調査及び平成17年度末に実施した1年後調査の縦断的な分析を3年計画の2年次の平成18年度に実施する。1年後における要介護度の変化を従属変数とし、身体、心理、社会、環境の各項目を独立変数とする多重ロジスティック回帰分析等を行うことにより、要支援及び要介護に関する要介護度の推移の状況とその要因を明らかにしていきたい。また、その要因を基に介護予防のために介入が必要な対象と内容を明確にし、介護予防プログラムの開発の検討を行う。3年計画の3年次の平成19年度には、開発した介護予防プログラムを実施し、評価を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-02
更新日
-