新たな手術用ロボット装置の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500245A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな手術用ロボット装置の開発に関する研究
課題番号
H15-フィジ-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
垣添 忠生(国立がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 野村 和弘(国立がんセンター中央病院)
  • 小林 寿光(国立がんセンターがん予防・検診研究センター)
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
  • 伊関 洋(東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
  • 土肥健純(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 舘 暲(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 橋爪 誠(九州大学大学院医学研究院)
  • 藤江 正克(早稲田大学理工学部)
  • 石山 和志(東北大学電気通信研究所)
  • 雨宮 隆太(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター)
  • 土田 敬明(国立がんセンター中央病院)
  • 中馬 広一(国立がんセンター中央病院)
  • 木下 貴之(国立がんセンター中央病院)
  • 宮北 康二(国立がんセンター中央病院)
  • 藤元 博行(国立がんセンター中央病院)
  • 女屋 博昭(国立がんセンター東病院)
  • 松村 保広(国立がんセンター東病院臨床開発センター)
  • 宅間 豊(株式会社日立メディコ、日本医療機器産業連合会)
  • 大原 健一(ペンタックス株式会社ライフケア事業本部 医用機器事業部 第1開発設計部)
  • 堀内 敏彦(株式会社日立製作所機械研究所)
  • 渡部 滋(株式会社日立メディコ技術研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
322,960,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 熟練した外科医でも手術操作が難しい体内の深部や狭小部、見えづらい領域において高度な手術を可能とする、軟性内視鏡的な概念と構造や画像機器との適合性を持ち、これまでのロボット手術装置の機能も持つ、新たな手術用ロボット装置を開発する。この装置が相乗的な効果を発揮する、画像補助手術概念と技術を開発する手術室も実際に導入する。
研究方法
 今年度は子内視鏡的手術装置の内視機能を強化した装置と、消化器内視鏡的手術における早期臨床応用を目的に細径化した装置と、手術装置としての機能と操作性を高めた装置を開発する。
 また画像補助手術室の国立がんセンター中央病院への導入を完了して、臨床応用を開始する。
結果と考察
 子内視鏡的手術装置にCCDを装備することで、切除で発生した煙で親内視鏡的手術操作の画像が劣化しても、手術操作を継続して施行可能であった。また必要に応じて抜去入れ替えが可能な、親子内視鏡的な概念の適切さが示された。
 挿入部径を12.8mmとした親内視鏡的手術装置を製作し、動物実験(ブタの胃粘膜切除)によって細径化による動作力の低下も支障なく、早期臨床導入が可能な高機能内視鏡としての開発方向が提示された。
 子内視鏡的手術装置を先端で把持して、手術器具を扱うがごとき動作を可能とする操作機構を装備した親内視鏡的手術装置を開発した。腹壁を介して腹腔内で胆嚢切除(ブタ)を行ったが、操作性が向上した手術が施行可能であった。
 以上の結果から今後は、早期臨床応用と高機能化の二方向で軟性内視鏡的手術装置の開発を進めていく。
 昨年度末に開始した画像補助手術室導入工事を継続して、MRIとCT、フラットパネルX線透視装置を導入した手術室を、国立がんセンター中央病院にMRX手術室として完成した。この手術室における臨床使用は全て臨床試験として、安全指針と共に包括的な臨床試験計画を、脳神経外科と整形外科、乳腺外科を代表として作成し、倫理審査委員会の承認を得て臨床応用を開始した。
 今後、並行して研究している各種要素概念や技術の開発を取り込み、将来の手術装置との統合を目指して研究を進めていく。
結論
 正確な動作と容易な操作を可能とした高機能手術装置と、早期臨床応用に配慮した細径手術装置を開発して今後の方針を示した。また画像補助手術室を導入して、臨床試験を開始した。将来の臨床の現場における統合を目的に開発を継続していく。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
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