文献情報
文献番号
200500196A
報告書区分
総括
研究課題名
微細鉗子・カテーテルとその操作技術の開発
課題番号
H14-ナノ-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
垣添 忠生(国立がんセンター)
研究分担者(所属機関)
- 小林 寿光(国立がんセンターがん予防・検診研究センター)
- 石山 和志(東北大学電気通信研究所)
- 大原 健一(ペンタックス株式会社ライフケア事業本部 医用機器事業部 第1開発設計部)
- 玉川 克紀(株式会社玉川製作所)
- 荒井 保明(国立がんセンター中央病院)
- 佐竹 光夫(国立がんセンター東病院)
- 角 美奈子(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
49,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
低侵襲で効果的な医療を可能とする、微細鉗子とカテーテル、微細内視鏡とその操作技術を、動力源に磁気を応用して開発する。
研究方法
本年度は昨年度末に臨床試験を開始した、胃がんの内視鏡的粘膜切除(EMR)時に病変を把持し、外部から磁気を加えて固定、牽引する、磁気誘導微細鉗子(磁気アンカー)とその駆動装置に関して、症例を更に重ねて医療技術と機器装置の評価を行う。
磁気誘導医療が臨床の現場で具現化したことを基に、これまで開発を行ってきた微細内視鏡の挿入部径を0.5mmへと更に細径化し、具体的な疾患を再発脳腫瘍(glioblastoma)として開発を進める。また牽引用磁力の強化と床荷重の低減のために、超伝導電磁石を開発する。
磁気誘導医療が臨床の現場で具現化したことを基に、これまで開発を行ってきた微細内視鏡の挿入部径を0.5mmへと更に細径化し、具体的な疾患を再発脳腫瘍(glioblastoma)として開発を進める。また牽引用磁力の強化と床荷重の低減のために、超伝導電磁石を開発する。
結果と考察
磁気アンカーの臨床試験は23例を経験し、予定症例の25例にまだ達していないが、現時点で特記すべき有害事象もなく、切除時間の短縮など充分な効果が期待された。患者下方の電磁石による牽引は必要なく、磁気アンカー自体の重量が効果的に機能することで、次期装置では下方の電磁石の省略による軽量化が可能と考えられた。今後、臨床試験の最終結論を待ち、その後の薬事承認を前提とした試験や高度先進医療化等の方針決定を行う。この際、磁気アンカー自体の重量を利用したアンカーの早期臨床応用の可能性も含めて、慎重な判断を早急に行うよう努める。
微細内視鏡は挿入部径の超細径化により先端に装着可能な磁性体量が減少するため、磁気アンカーの概念も導入して、挿入機構と併せて複合構造の微細内視鏡の基本構造を開発した。この微細内視鏡の誘導用に超伝導単極電磁石を開発したが、66Aの電流によりコイル中心で2.8T、電磁石表面で1.1T、電磁石表面から10cmでも0.41Tの磁力を発生し、重量はこれまでの3から13トンに比較して圧倒的に軽い135kgを達成することができた。また同装置を固定して対象周囲を2次元的に回転する移動台を製作し、微細内視鏡システムの基本的な動作検証を開始した。微細内視鏡は現時点ではまだ基礎的な実験段階であるが、将来の超早期癌の治療技術としても低侵襲かつ効果的な治療法に応用可能と考えられ、総合的に開発を促進する必要があると考えられる。
微細内視鏡は挿入部径の超細径化により先端に装着可能な磁性体量が減少するため、磁気アンカーの概念も導入して、挿入機構と併せて複合構造の微細内視鏡の基本構造を開発した。この微細内視鏡の誘導用に超伝導単極電磁石を開発したが、66Aの電流によりコイル中心で2.8T、電磁石表面で1.1T、電磁石表面から10cmでも0.41Tの磁力を発生し、重量はこれまでの3から13トンに比較して圧倒的に軽い135kgを達成することができた。また同装置を固定して対象周囲を2次元的に回転する移動台を製作し、微細内視鏡システムの基本的な動作検証を開始した。微細内視鏡は現時点ではまだ基礎的な実験段階であるが、将来の超早期癌の治療技術としても低侵襲かつ効果的な治療法に応用可能と考えられ、総合的に開発を促進する必要があると考えられる。
結論
磁気アンカーの臨床試験は予定症例近くを集積し、その結果は期待される。微細内視鏡は具体的な臨床応用を目標に、発展的な開発を継続している。
公開日・更新日
公開日
2006-04-12
更新日
-