細胞組織利用医薬品の品質・安全性等の評価に関する基盤技術開発研究

文献情報

文献番号
200500183A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞組織利用医薬品の品質・安全性等の評価に関する基盤技術開発研究
課題番号
H17-再生-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 内田恵理子(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 鈴木 孝昌(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 水口 裕之(独立行政法人 医薬基盤研究所 基盤研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
細胞組織利用医薬品の品質・安全性確保のために、ウイルス等の感染性因子の高感度・高精度検出法や、細胞の特性解析法、品質・安全性等の評価技術の開発を目指す。
研究方法
①感染性因子の安全性評価技術開発、②細胞の同一性や遺伝的安定性評価手法の開発及び細胞のがん化予測指標の探索、③細胞由来生理活性物質のプロファイリング技術や構造解析技術の開発、④免疫原性の新規評価技術開発、⑤細胞特性指標の探索、⑥細胞組織利用医薬品の製造方法や規格設定の評価手法の開発、の各分野ついて研究を行った。
結果と考察
①ポリエチエンイミンを結合した磁性粒子を用いたウイルス濃縮法を最適化した。本法がヒト感染性ウイルスに適用可能なことを示した。②一塩基多型の大規模解析用GeneChipが染色体コピー数変化の検出に有効なことを明らかにした。また、遺伝子発現解析と組合わせることにより、詳細な染色体異常の検出が可能なことを示した。テロメア結合タンパク質の細胞内局在・発現制御及び生理機能の解析を行い、がん化指標としての有用性が示唆された。③フローサイトメトリーを応用して、初期血管内皮前駆細胞(early EPC)が産生するサイトカインの網羅的解析を行い、治療に用いられるようなヒト細胞の産生する生理活性物質のプロファイリングに有用なこと、及びearly EPCはIL-8の高い産生能を有することを明らかにした。液体クロマトグラフィー/多段階質量分析法(LC/MSn)を用いた糖鎖プロファイリングにより細胞組織発現糖タンパク質由来糖鎖の網羅的解析が可能となることを示した。また、MSn によって生じた任意の糖鎖構造に特徴的なイオンをもとに、特定の糖鎖構造を持つ糖鎖を検出できることを見出した。④35型アデノウイルスベクター由来の遺伝子導入用ベクターは、ヒト造血幹細胞画分の細胞に対し優れた遺伝子導入効率を示すことを明らかにした。⑤ヒト臍帯血及び末梢血単核球から増殖能の高い血管内皮前駆細胞を分離する培養条件を検討した。幹細胞の心筋細胞および脂肪細胞への分化に促進的な役割を持つ遺伝子・タンパク質を同定した。⑥血管内皮細胞・血管内皮前駆細胞の培養時に必要なFibronectin の代替品として、組換え人工タンパク質が同等の性質を示すことを明らかにした。
結論
今年度の成果は、細胞組織利用医薬品等の品質、安全性等を確保するための基盤技術となると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
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