文献情報
文献番号
200500123A
報告書区分
総括
研究課題名
女性医療サービスの今後の在り方に関する研究―女性医療サービスの標準化と質の向上に資する方策の検討―
課題番号
H17-特別-041
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
太田 博明(東京女子医科大学 産婦人科)
研究分担者(所属機関)
- 麻生 武志(東京医科歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
女性対象の医療サービスであれ、“女性外来”の設立が注目されている。女性医師が、女性に対する保健医療の敷居を下げるなど疾病の早期発見の可能性が示唆される。しかし担当医師の専門性・適正・他の診療科とのネットワークの不備などの医療の質を問う意見もある。そこで本研究は、今後の女性医療システムの構築に資するため、“今後の在るべき姿”を模索するにあたり、女性医療に携わる臨床医師の認識を調査することを目的として行われた。
研究方法
・ 日本更年期医学会および女性心身医学会所属医師、女性外来等標榜医師を対象として「女性医療サービスの在り方に関するアンケート」調査を実施した。アンケート構成は、属性、女性外来に対する認識、セカンドオピニオンや医療サービスに関する認識、更年期医学会、女性心身医学会に関する情報に関してでありA4 : 4ページのOCR記入様式により記載・集計を行った。実施期間は平成17年12月1?25日とした。
・ 送付総数1,880件で、回収数は806件(うち同施設8件)で施設回収率は、42.4%(日本更年期医学会 41.2%、女性心身医学会 45.7%、女性外来等54.1%)であった。
・ 送付総数1,880件で、回収数は806件(うち同施設8件)で施設回収率は、42.4%(日本更年期医学会 41.2%、女性心身医学会 45.7%、女性外来等54.1%)であった。
結果と考察
“女性外来”の在るべき姿の必要条件として以下の項目が抽出された。
(1) 必要とされる医療者(優先順)は下記のとおりで、一定の期間同じ医師が担当する。
産婦人科医師、心療内科医師、看護師、内科医師、臨床心理士、
神経科医師、泌尿器科医師、薬剤師、保健師、助産師
(2) 医療連携に関しては、全科医師(病院)・地域専門医師(開業医)の協力体制(連携)が必要で、更に外来受診後のフォローの一案としてコメディカルとの連携や健康教室などの情報提供環境があることも望まれる。
(3) 診察環境としては、プライバシーの確保、ゆっくり相談できる時間等の環境が重要である。
(4) 医師の性別・専門情報が公開されていることは重要である。(性別・専門の公開により一般女性が適切な医療を受診する際の選択肢が広がる)
(1) 必要とされる医療者(優先順)は下記のとおりで、一定の期間同じ医師が担当する。
産婦人科医師、心療内科医師、看護師、内科医師、臨床心理士、
神経科医師、泌尿器科医師、薬剤師、保健師、助産師
(2) 医療連携に関しては、全科医師(病院)・地域専門医師(開業医)の協力体制(連携)が必要で、更に外来受診後のフォローの一案としてコメディカルとの連携や健康教室などの情報提供環境があることも望まれる。
(3) 診察環境としては、プライバシーの確保、ゆっくり相談できる時間等の環境が重要である。
(4) 医師の性別・専門情報が公開されていることは重要である。(性別・専門の公開により一般女性が適切な医療を受診する際の選択肢が広がる)
結論
“女性外来”のシステム構築を担う産婦人科医師の育成と確保のための施策が特に重要であることが判明した。同時に、「女性医師に診察をしてほしい」という患者ニーズもあり、医師の性別や専門などの情報を適切な形で公開し、患者側が選択できる体制作りも重要であろう。一方で、将来の女性医師比率の増加をふまえた、女性医師を対象とした産婦人科および心療内科に関わる医療知識に対する再教育を視野にいれた女性外来担当女性医師の育成も一案である。
公開日・更新日
公開日
2006-11-15
更新日
-