文献情報
文献番号
200500110A
報告書区分
総括
研究課題名
食品によるバイオテロの危険性に関する研究
課題番号
H17-特別-039
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
食品テロに関し、我が国におけるその発生の可能性や脆弱な部分の検討、及びその対策方法等について、フードチェーンに沿って検討を行い、テロ対策の一助となることを目的として研究を行う。
研究方法
以下の項目に関する、国内外の政府機関ウェブサイト、文献等既存の公表情報の収集と、検討会(全3回)における生物・化学・食品衛生等の専門家・実務家らとの討議を通じて実施した。
1. 米国等における食品テロの脆弱性評価手法、食品テロ対策に係る方針案
2. わが国における食品テロシナリオの想定
3. わが国の実情にあった食品テロの脆弱性評価手法の検討
4. わが国における食品テロ対策の検討
1. 米国等における食品テロの脆弱性評価手法、食品テロ対策に係る方針案
2. わが国における食品テロシナリオの想定
3. わが国の実情にあった食品テロの脆弱性評価手法の検討
4. わが国における食品テロ対策の検討
結果と考察
わが国において喫緊に取り組むべき主な課題は、事前対策としては、生産過程における脆弱性評価の実施、セキュリティの強化、健康危機情報収集分析システムの整備の3つを基本とすべきである。
事後対策としては、現行の食中毒対応で基本的には対処可能と考えられるが、その対処をより実効的なものにするためには、原因物質の可能な限り迅速な検知・同定と、現行の食中毒対策では対応しきれない事象とその対処の明確化が必要となる。しかしながら、これらの検討の方向性は、事前対策がどの程度実施可能かに依存して変化するため、事後対策の検討を実施するためにも、まずは早急な事前対策の実施が必要であると考えられる。
事後対策としては、現行の食中毒対応で基本的には対処可能と考えられるが、その対処をより実効的なものにするためには、原因物質の可能な限り迅速な検知・同定と、現行の食中毒対策では対応しきれない事象とその対処の明確化が必要となる。しかしながら、これらの検討の方向性は、事前対策がどの程度実施可能かに依存して変化するため、事後対策の検討を実施するためにも、まずは早急な事前対策の実施が必要であると考えられる。
結論
・米国における食品テロの脆弱性評価手法であるCARVER+SHOCKの実施手順、FDAによる食品企業向けセキュリティガイドライン、牛乳を標的としたテロの被害シナリオのレビュー等を実施した。
・わが国の食品汚染事例の精査を通じ、食品テロが実行された場合、数万人単位での健康被害が生じる可能性のあることを確認した。また、米国における先行検討等を基に、わが国における食品テロシナリオ作成に必要となる要素項目(施設構造や使用物質等)と留意点を抽出した。
・CARVER+SHOCKを、その網羅性、実務的観点等の観点から検討した結果、同手法は一定の合理性を有しており、わが国の実情を考慮した場合でも十分に適用可能な評価手法であると判断された。
・上記を勘案することにより、わが国において喫緊に取り組むべき主な課題として、生産過程における脆弱性評価の実施、セキュリティの強化、健康危機情報収集分析システムの整備の3点が抽出された。
・わが国の食品汚染事例の精査を通じ、食品テロが実行された場合、数万人単位での健康被害が生じる可能性のあることを確認した。また、米国における先行検討等を基に、わが国における食品テロシナリオ作成に必要となる要素項目(施設構造や使用物質等)と留意点を抽出した。
・CARVER+SHOCKを、その網羅性、実務的観点等の観点から検討した結果、同手法は一定の合理性を有しており、わが国の実情を考慮した場合でも十分に適用可能な評価手法であると判断された。
・上記を勘案することにより、わが国において喫緊に取り組むべき主な課題として、生産過程における脆弱性評価の実施、セキュリティの強化、健康危機情報収集分析システムの整備の3点が抽出された。
公開日・更新日
公開日
2009-04-03
更新日
-