文献情報
文献番号
200500086A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な健康危機管理に必要なスキル獲得のための人材育成のあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-103
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
森田 公一(長崎大学熱帯医学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 賀来 満夫(東北大学医学部感染制御学)
- 門司 和彦(長崎大学熱帯医学研究所)
- 平山 謙二(長崎大学熱帯医学研究所)
- 黒崎 伸子(国立病院機構長崎病院、国境なき医師団日本)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,418,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は感染症に関連する国際健康危機対策の実施に係わる質の高い人材の育成を促進する手法の開発である。その為に本研究では国際健康危機に必要なスキルを抽出しそれに基づく人材育成に活用できる教育カリキュラムを作成し、スキル育成の到達度評価方法を検討する。
研究方法
過去に発生した国際的感染症の流行においてWHO、国境なき医師団、米国疾病予防センターや日本から動員された人材データを国籍やスキル別に分析すると共に、WHOなどが使用している教材を解析し、日本の病院や研究機関で活動している専門家が国際健康危機管理の専門家として海外へ派遣され、チームとして活動する場合に必要とされるスキルと知識を得るための教材を試作する。その教材を使って、日本人ボランティアを対象にした研修トライアルを実施し、教材やカリキュラムの有用性を検証する。また、スキル達成度の評価方法を検討する。
結果と考察
研究2年度は、初年度において抽出したスキルリストから、国際健康危機管理において重要度が高い感染制御(防御)、疫学、実験室診断、ロジスティックス、倫理の項目に焦点を絞り、教材を試作した。作成にあたっては、国際健康危機管理に動員される日本人専門家がすでに各々の分野では専門性のあるスキルを持つ人々であることを前提にして、派遣された専門家が自分の専門以外の分野においても他国籍からなる専門家群の中にあり、自分の専門分野のスキルを提供するのみならず他の分野の活動にも協力でき、また必要に応じてチームのリーダーシップを取るに必要な知識と技術の習得ができるように考慮した。評価方法については、スキルの種類によって適切と考えられる方法が異なるため統一的な評価の数値化が困難であり、本年度は班員全員の意見統一ができなかった。また専門家が国際保健危機管理の場面で必要な能力を発揮できるか否かの評価をそのような方法で本当に測定可能であるのかといった疑問も残る。したがって、最終年度にボランティアを動員した実験的コースを実施し教材やカリキュラムの有用性を検証すると共に、引き続きスキル達成度の評価方法を検討する。
結論
教材の有用性は実験的コースで検証しなければならない。また、コミュニケーションスキルに関する教材の作成と、スキル到達度の評価方法の検討も最終年度の課題である。
公開日・更新日
公開日
2007-04-10
更新日
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