国民の健康状況に関する統計情報を世帯面から把握・分析するシステムの検討に関する研究

文献情報

文献番号
200500071A
報告書区分
総括
研究課題名
国民の健康状況に関する統計情報を世帯面から把握・分析するシステムの検討に関する研究
課題番号
H17-統計-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科医療経営政策学寄附講座)
研究分担者(所属機関)
  • 山岡和枝(国立保健医療科学院)
  • 川上憲人(岡山大学大学院医歯薬総合研究科)
  • 石川ひろの(帝京大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業は2年計画で、国民生活基礎調査健康票の課題抽出、地域・世帯・個人要因を含めた社会行動学的な健康関連行動のモデル化とその測定手法の理論的・実証的検討などを通じ、政策立案に資する統計調査情報のあり方を提案することを目的とした。
研究方法
大きく分けて以下の4つについて研究を進めた。
1. 現行健康票の批判的吟味
世帯面からでないと入手しにくいこと、地域住民の健康との関連が明確なもの、などを条件に取捨選択した。こころの健康状態の測定方法として、K6につき妥当性根拠を取りまとめた。
2.健康関連行動・ヘルスリテラシーの測定方法の検討
欧米の健康行動理論を批判的に検討し、情報の収集、利用に関する自己効力感の測定尺度を作成し、これを大学生65名と高齢者15名を対象に実施、聞き取り調査も行った。
3.健康関連支出測定方法の検討
内外の家計調査の手法につき検討を加え、小規模調査・聞き取りを実施した。
4.次年度調査のための準備
上記検討をもとに、調査会社を通じて、満20歳以上75歳未満の日本在住の男女個人2000人を対象とした全国調査を実施するための標本抽出法の検討を行った。
結果と考察
1)健康票の批判的吟味
傷病名リストは、ストレス反応の測定に資する程度に簡略化することが可能と思われた。ストレスについては、ストレッサーの有無、種類、強度を明確にわけ設計しなおす必要があると思われた。社会的支援や社会関係資本なども、健康関連行動に影響し社会政策上も取り組みやすい項目として採用すべきと考えられた。K6は、項目反応理論による分析により点数化に注意が必要だが多様な対象に対し使用可能なことが明らかになった。
2) 健康関連行動、ヘルスリテラシーの測定
  健康への関心や情報活用の自信などは、年齢や自覚的健康状態などに加え、健康関連心理的統制位置による影響を受けていることが示唆された。
3) 健康関連支出の測定法
支出は世帯を単位として把握されており、世帯票での測定が望ましいと考えられた。月ごとの支出(耐久消費財など除く)についてまず食費をたずね、支出項目は支払形態により項目わけすることが必要であると考えられた。
結論
現行の国民生活基礎調査健康票をたたき台とし、世帯面調査から得られる健康関連行動・消費行動・支出などの情報の中から、政策的取り組み課題となるものを取捨選択した。これをもとに次年度は全国調査を実施し、既存統計との関連を明確にしていきたい。

公開日・更新日

公開日
2006-07-26
更新日
-