最新の科学的知見に基づく水質基準の見直し等に関する研究

文献情報

文献番号
200401332A
報告書区分
総括
研究課題名
最新の科学的知見に基づく水質基準の見直し等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
眞柄 泰基(北海道大学 創成科学研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 亀井  翼(北海道大学大学院工学研究科)
  • 伊藤 禎彦(京都大学大学院京都大学大学院)
  • 遠藤 卓郎(国立感染症研究所寄生動物部)
  • 国包 章一(国立保健医療科学院水道工学部)
  • 米澤 龍夫(日本水道協会工務部)
  • 江馬  眞(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
  • 長谷川隆一(国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部)
  • 広瀬 明彦(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
  • 伊藤 雅喜(国立保健医療科学院水道工学部)
  • 秋葉 道宏(国立保健医療科学院水道工学部)
  • 安藤 正典(武蔵野大学薬学部)
  • 相澤 貴子(横浜市水道局)
  • 西村 哲治(国立医薬品食品衛生研究所環境衛生化学部)
  • 松井 佳彦(岐阜大学工学部)
  • 浅見 真里(国立保健医療科学院水道工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
74,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水道法に定める水質基準の改定に際して、今後は最新の科学的知見に従い逐次改正されることとなった。無機物質、一般有機物質、微生物、消毒副生成物、農薬、水道水質管理およびリスク評価に関して研究課題を設定し、水質基準改正のための科学的な知見を集積し、水質基準の逐次改正等について提言することを目的とする。
研究方法
主任研究者及び分担研究者の他、水道事業体等技術者、研究者約60名の研究協力者からなる分科会を設け、全国レベルでの実態調査等をおこなった。
結果と考察
浄水中のアルミニウムは、水温、pH、プランクトン等の影響を受ける。塩ビ管から溶出する有機スズ化合物の溶出手順を検討する必要がある。
TOCは過マンガン酸カリウム消費量の1/3程度の値である。カビ臭物質は排水処理施設からも発生している。原水中のピコプランクトンは除去が困難である。
大腸菌が検出されないことは「年間365日の測定を行ったとして、335日以上の不検出」と計算され、その検査方法について検討を進める必要がある。クリプトスポリジュウムの検査の精度向上のためのマニュアルを作成した。また、従属栄養細菌のPCR/DGGE法による遺伝子解析方法を開発した。
オゾン処理によって生成する臭素酸は、溶存オゾン濃度やpHで制御出来る。入浴にともなうTHM曝露量は経口曝露量に対して無視できない。NDMAの分析には化学イオン化法が適している。
水道原水から98種類,浄水から31種類の農薬が検出された。有機リン系農薬は塩素処理によりオキソン体が生成される。in vitroで、有機りん系農薬およびそのオキソン体のコリンエステラーゼ(ChE)活性阻害の相加作用がみられた。
 給水栓水の鉛濃度測定手法については、さらに検討する必要がある。給水栓水に一定濃度以上の残留塩素を保持することが義務づけられており、その塩素と水道原水中の様々な物質が反応して、生成することよって不快な臭気を発生する。
アクリル酸等10物質について毒性情報を収集し、健康影響評価値の設定が行えるかどうか検討した。
結論
本研究成果は、水質基準の逐次改定のための科学的資料として活用される。しかし、多くの課題についてさらに詳細な研究が継続して実施する必要があることが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-08-16
更新日
-