地方衛生研究所のあり方および機能強化に関する研究

文献情報

文献番号
200401308A
報告書区分
総括
研究課題名
地方衛生研究所のあり方および機能強化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
田中 喜代史(財団法人 日本健康・栄養食品協会)
研究分担者(所属機関)
  • 増田 和茂(財団法人 健康・体力づくり事業財団)
  • 織田 肇(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 金田 麻里子(東京都健康安全センター)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所)
  • 青木 節子(慶應大学総合学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、現段階における地方衛生研究所の人員体制、機器設備、健康危機管理対応能力等の調査・分析を行うとともに、保健所及び国立研究機関との間の連携体制及び情報連絡体制等についても検討を行い、また、欧米諸国における同様の機関の現状等について実地調査を行った上で、我が国において今後求められる地方衛生研究所の機能・設備・人員等のあるべき姿についての研究を行い、公衆衛生の向上に資することである。
研究方法
 本年度は地方衛生研究所がおかれている実態把握に重点をおいた。織田分担研究者は地方衛生研究所の組織、人員、施設・設備、業務(調査研究、試験検査、研修、情報収集・解析・提供)、保健所・本庁・国立研究機関との連携などの実態調査を地方衛生研究所全国協議会に属する75カ所の地方衛生研究所に対して行った。金田分担研究者は地方衛生研究所にとって最も重要な連携先である保健所からみた、地方衛生研究所に対する認識などの調査を保健所を設置する各自治体の代表保健所127保健所に対して行った。増田、岡部、青木分担研究者は次年度以降の研究に資するため実地調査、国立研究機関と地方衛生研究所との連携や欧米の感染症に関する国際法など関係資料の収集・文献調査を行った。
結果と考察
 地方衛生研究所の調査では、衛生関係単独の研究所は21カ所となっていた。施設設備として都道府県衛生研究所の91%が3Pの設備を備えており、全衛生研究所の主要業務の割合は調査研究19.7%、試験検査64.7%、研修指導7.1%、情報収集等8.5%であり、保健所と試験検査の役割分担をしているのは59%となっていた。保健所からみた地方衛生研究所のあり方の調査では衛生研究所の行う試験検査としてPCR法を用いた検査など高度分析機器を用いた保健所では出来ない特殊な検査を行うべきという意見が多かった。
 これらの実態調査によれば各衛生研究所間に人員、設備、予算などに大きな差がみられるが、地方衛生研究所は地方における公衆衛生活動の重要な拠点にも拘わらず保健所や精神福祉センターのようなその設置に関する法的な位置づけがないのも一因と考えられる。
結論
 本年度は地方衛生研究所の実態把握に努めた結果その実態を明らかにすることができたので、次年度に今年の実態調査の詳細な分析や現地調査、欧米の実態などの把握に努め本研究の目的である地方衛生研究所のあるべき姿について検討したい。

公開日・更新日

公開日
2005-07-29
更新日
-