農村における生活習慣と生活習慣病有病率の地域差に関する疫学研究

文献情報

文献番号
200401293A
報告書区分
総括
研究課題名
農村における生活習慣と生活習慣病有病率の地域差に関する疫学研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
畝 博(福岡大学(医学部衛生学教室))
研究分担者(所属機関)
  • 林 雅人(平鹿総合病院)
  • 武山 直治(久美愛厚生病院)
  • 谷原 真一(島根大学医学部)
  • 青栁 潔(長崎大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
農村における生活習慣と生活習慣病有病率の地域差を明らかにするため、秋田、岐阜、福岡、長崎の4ヶ所の農村部および離島住民を対象として、生活習慣、栄養調査、身体計測、血圧、血液生化学検査を行い比較検討した。
研究方法
対象地域は、秋田県平鹿町、岐阜県古川町、福岡県夜須町、長崎県大島町であり、町が行う基本健康診査受診者を対象とした。
対象者に対して、生活習慣、身体活動(国際標準化身体活動質問表使用)、栄養摂取(佐々木敏作成の食習慣調査票使用)の調査を行った。また、血液生化学検査は同一の検査機関(エス・アール・エル)で測定した。
結果と考察
栄養摂取状況をみると、農業従事者の多い秋田と岐阜では、米飯を中心とした食生活が維持され、エネルギー摂取量も多かった。一方、農業従事者の少ない福岡と長崎では秋田と岐阜より、エネルギー摂取量が少なく、動物性脂質と植物性脂質の比は高く、食生活の欧米化が進んでいるように考えられた。身体活動量も農業従事者の多い秋田と岐阜が農業従事者の少ない福岡と長崎より多い傾向がみられた。
地域の生活習慣や生活習慣病の格差のバロメーターになるのが総コレステロール値である。総コレステロール値の平均値は、男では194.5~201.5mg/dlの間にあり、ほとんど差がみられなかった。女では最も高い福岡が222.8mg/dl、最も低い秋田が207.9mg/dlで、約14mg/dl程度の差がみられた。糖尿病が強く疑われるヘモグロビンA1cが6.5%以上の割合は、男では福岡が11.6%と他の3地域より高かった。
結論
血液生化学検査値には全体的に大きな違いはみられなかったが、大都市部に近く生活習慣の欧米化が比較的進んでいる考えられる福岡では他の3地域より、総コレステロール値およびヘモグロビンA1cの高い人が多い傾向がみられた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-