「健康づくりのための運動指針」に関する研究ー身体活動量増加による生活習慣病の一次予防効果-

文献情報

文献番号
200401289A
報告書区分
総括
研究課題名
「健康づくりのための運動指針」に関する研究ー身体活動量増加による生活習慣病の一次予防効果-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
田畑 泉(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 戸山芳昭(慶應義塾大学医学部)
  • 樋口 満(早稲田大学スポーツ科学部)
  • 田中宏暁(福岡大学スポーツ科学部)
  • 林 達也(京都大学大学院人間・環境科学研究科)
  • 桧垣靖樹(佐賀大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国民の運動不足による生活習慣病罹患率の上昇を予防するために平成5年に制定された「健康づくりのための運動指針」では、運動習慣のない世代を対象にウオーキングを中心とする低い強度の運動(いわゆる有酸素性運動)を処方することにより、国民の運動量増加の基礎を築き、一定の成果をあげた。しかし、運動継続率の高いスポーツ活動や、エネルギー消費速度が高く肥満予防に有効である比較的高い強度の運動、高齢者のQOLを維持するのに有効であるとして国民の多くが実施しているレジスタンス・トレーニング(いわゆる筋力トレーニング)などの処方については、ほとんど触れられていない。そこで本研究では、比較的高い強度の運動を含むスポーツ活動やレジスタンス・トレーニングを含む新しい「健康作りのための運動指針」策定のするために必要な、各種強度の運動による生活習慣病の一次予防効果のエビデンスを明らかにすることを目的とした。
研究方法
研究の初年度である平成16年度は、体力、加齢、生活習慣病危険因子との関係を明らかにすることを目的に、主に横断的研究を行った。
結果と考察
①身体活動量増加による改善可能性のある生活習慣病危険因子が明らかノなった。②中高年者の健康増進に積極的な役割が期待されるスポーツ活動についてローイングを対象にその健康増進効果及び生活習慣病予防効果を明らかにした。③地域における身体活動量増加を介した健康増進・保健活動の基礎として、地域において中高年者の歩数の調査を行い、歩数と介護予防との関係を明らかにし、地域における介入プログラム策定のためのデータを得た。また健康、あるいは軽度の疾病を有する中高年者を対象として安全で気軽に行える「すわろビクス」と「ステップ運動」の運動の有効性についての基礎的研究を行い、後年度に行う介入研究に用いる運動プログラム作成の基礎データを得た。ヒューマン・カロリーメータ及び二重標識水法を用いて身体活動量の正確な把握に関する基礎的研究を行った。また、閉経後女性の骨の健康に対するウオーキング及び食品由来成分の影響を明らかにした。
結論
本研究の結果により、身体活動量増加により改善が期待される要素が明らかになった。これも基に、次年度以降にそれらに対する身体運動量増加の影響を明らかにする介入研究を行うことが可能となった。

公開日・更新日

公開日
2005-05-20
更新日
-