抗菌加工製品における安全性評価及び製品情報の伝達に関する調査研究

文献情報

文献番号
200401264A
報告書区分
総括
研究課題名
抗菌加工製品における安全性評価及び製品情報の伝達に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鹿庭 正昭(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐良明(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 林 真(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 高鳥浩介(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 中島晴信(大阪府公衆衛生研究所)
  • 清水 充(大阪市立環境科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
・抗菌剤・抗菌加工製品の実態調査(継続)
・抗菌剤の優先順位リストの作成に向けた既存及び新規の毒性試験データの収集・解析
・抗菌剤の毒性(ハザード)評価法、抗菌加工製品における曝露評価法の検討
研究方法
・天然有機系抗菌剤に注目しながら、日用品(プラスチック製品)、繊維製品、家電製品、失禁ケア用品等での使用実態を調査した
・皮膚感作性試験法として、in vivo法のモルモットマキシミゼーション法(GPMT法)とin vitro法のLocal Lymph Node Assay(LLNA)法(non-RI法)を比較検討した
・汗・唾液を介した抗菌加工製品からの抗菌剤の溶出挙動及び溶出試験法について検討した
結果と考察
・無機系、天然有機系抗菌剤への切替えが促進されていた
・有機系・天然有機系抗菌剤について、健康被害の原因となる可能性が高く、要注意であるにもかかわらず、成分名が具体的に表示されていない場合が多かった
・皮膚感作性試験法について、LLNA法によっても比較的弱い皮膚感作性物質を評価できた
・脂溶性化合物の溶出量は、唾液>汗>水=人工汗(塩基性)=人工汗(酸性)の順であった
・溶出試験の溶出溶媒として人工汗(酸性、塩基性)、人工唾液、20%エタノール等を用いることとした
結論
抗菌加工製品の安全性評価のためには、①抗菌剤の毒性の強度を確認する、②抗菌剤の加工濃度、抗菌加工製品の溶出試験結果をもとに、抗菌剤が抗菌加工製品から汗、唾液を介して皮膚経由あるいは口でなめたりして経口的にどのくらい移行しうるかを予測する、③用途、製品のサイズ、使用時間、使用頻度を考慮しながら、皮膚経由あるいは経口的にヒトへの曝露量がどのくらいか、抗菌剤への曝露に伴うリスクがどのくらいかを予測する。さらに、MSDS ・製品表示等を通じてリスク評価等の有害性情報を公表したり、健康被害情報(種類、重症度)を具体的に記載する等、製品情報の伝達機能を質量ともに高めていくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
-