内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン類を含む)の胎児・新生児暴露によるリスク予測に関する総合研究

文献情報

文献番号
200401255A
報告書区分
総括
研究課題名
内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン類を含む)の胎児・新生児暴露によるリスク予測に関する総合研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
江馬 眞(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 安田 峯生(広島国際大学保健医療学部)
  • 高木 篤也(国立医薬品食品衛生研究所毒性部)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所毒性部)
  • 矢守 隆夫(癌研究会癌化学療法センター分子薬理部)
  • 藤井 義明(筑波大学先端学際領域研究センター)
  • 鎌滝 哲也(北海道大学薬学部)
  • 藤本 成明(広島大学原爆放射線医科学研究所)
  • 加藤 善久(静岡県立大学薬学部)
  • 井上 達(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
  • 広瀬 明彦(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
84,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン類を含む)の胎児・新生児暴露影響を明らかにすると共に、作用機序に関する基礎的解析を推進することにより、ヒトへのリスクアセスメント向上に資する。
研究方法
マウス胎児口蓋の遺伝子発現変化をマイクロアレイを用いて解析した。妊娠20日のアカゲザルにTCDDを皮下投与し、生後約200日から1700日までの児の歯を観察した。マウスES細胞に対するTCDDの影響を検討した。Tg.ACマウスにTCDDを6ヶ月間経口投与し生じてくる腫瘍を解析した。内分泌撹乱化学物質、核内受容体アゴニストをヒト培養細胞パネルを用いて評価するとともにGeneChipを用いた遺伝子発現解析を行った。AhR欠失雌マウスの卵巣の形態及び機能について検討した。多環芳香族炭化水素が LXRa 標的遺伝子 mRNA 発現に及ぼす影響、3-methlycholanthrene の LXRa 転写活性に及ぼす影響を検討した。前立腺における発現RNA、タンパク質解析を行った。PCBによる血中甲状腺ホルモン減少の機序解明を行った。最新の国際動向について情報収集し、リスクコミュニケーション手法について考察した。
結果と考察
マウス胎児口蓋部位のマイクロアレイ解析技術を確立した。TCDDの母体暴露を受けたアカゲザル児で300 ng/kgTCDD投与群で歯の異常が見出された。マウスES細胞数に対し、TCDDは用量相関的に減少させた。TCDD投与Tg.ACマウスの前胃腫瘤が低頻度ながら観測され、TCDD投与の低濃度影響の検出系としての可能性が示唆された。ヒト培養細胞パネルでTributyltinが高感受性であることが明らかになった。生殖周期においてAhRはFSHあるいは,LHによって直接又は間接に活性化されてCYP19の発現を制御していると考えられた。LXRa シグナル伝達経路におけるAhR の役割を明らかにした。生後1Wの前立腺でのテストステロン応答遺伝子を同定した。KC500投与時の、T4の血清クリアランスおよび分布容積の種差ならびに、ヒトT4-UDP-GT活性の高い分子種を明らかにした。リスクの質と先進科学の普及に関する考察を行うと共にポリ臭化ジフェニルエーテル等の健康影響に関する最新情報を収集した。
結論
胎児影響解析のための技術基盤を確立するとともに、AhRの生体における機能に関する新たな知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
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