臭素化ダイオキシン類に係る労働現場のリスク評価研究

文献情報

文献番号
200401252A
報告書区分
総括
研究課題名
臭素化ダイオキシン類に係る労働現場のリスク評価研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 治彦(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
研究分担者(所属機関)
  • 工藤 光弘(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
  • 神山 宣彦(独立行政法人産業医学総合研究所)
  • 小川 康恭(独立行政法人産業医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
60,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臭素化ダイオキシン類は、臭素系難燃剤入りプラスチック成形等過程で非意図的に生成され、その有害性は塩素化ダイオキシン類と同等と考えられている。そこで、労働者を対象として、臭素化・臭素系ダイオキシン類のばく露評価等の労働者への健康影響を未然に防止するためのリスク評価法を確立することを目的として調査研究を行った。
研究方法
一般廃棄物焼却処理工場、家電リサイクル工場、臭素系難燃剤入りプラスッチク成形工場等を対象として、作業環境の実態調査を行った。臭素系難燃剤のばく露調査は、空腹状態で70-90ml採血し、その後職歴・作業歴を聴取し、職歴・作業歴調査より飛灰ばく露作業従事期間を算定した。生体試料中臭素化ダイオキシン類の測定は、高感度分析法を開発し、その方法を用いて、ヒト血液等の生体試料を測定し、臭素化ダイオキシン類のリスクに関し検討した。
結果と考察
作業環境の実態調査は、家電リサイクル工場が実測濃度で、5.69-1774.60pg/m3であった。臭素化・臭素系ダイオキシン類濃度は、廃棄物焼却工場と比較し、高値であった。臭素系難燃剤のばく露調査の調査対象は、産業廃棄物焼却処理工場の労働者及び家電リサイクル工場で実施した。調査結果は、PCDD、PCDFは産業廃棄物処理工場の労働者のばく露が高く、コプラナーPCB及び難燃剤であるPBDEに関しては家電リサイクル工場の労働者で高いことがわかった。血液中臭素化ダイオキシン類濃度の測定は、4-7人ずつの4群のプール血液として測定した。その結果、10-24 pg/g-lipid の2,3,7,8-TeBDDなどが検出され、塩素化ダイオキシン類濃度よりも高濃度であることがわかった。
結論
家電リサイクル工場の作業環境中臭素化・臭素系ダイオキシン類の実測濃度は、比較的高値であった。臭素化ダイオキシン類のリスクについては、更に詳細に検討したい。臭素系難燃剤のばく露調査の結果は、コプラナーPCB及び難燃剤であるPBDEに関して、家電リサイクル工場の労働者で高いことがわかった。焼却処理作業者の血液中臭素化ダイオキシン類濃度は、10-24 pg/g-lipid の2,3,7,8-TeBDDなどが検出され、塩素化ダイオキシン類濃度よりも高濃度であることがわかった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200401252B
報告書区分
総合
研究課題名
臭素化ダイオキシン類に係る労働現場のリスク評価研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 治彦(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
研究分担者(所属機関)
  • 工藤 光弘(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
  • 山田 周(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
  • 神山 宣彦(独立行政法人産業医学総合研究所)
  • 小川 康恭(独立行政法人産業医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臭素化ダイオキシン類は、臭素系難燃剤入りプラスチック成形等過程で非意図的に生成され、その有害性は、塩素化ダイオキシン類と同等と考えられている。そこで、労働者を対象として、臭素化・臭素系ダイオキシン類のばく露評価等の労働者への健康影響を未然に防止するためのリスク評価法について、調査研究を行った。
研究方法
廃棄物焼却工場、家電リサイクル工場、プラスッチク成形工場等を対象として、作業環境の実態調査を行った。臭素系難燃剤のばく露調査は、一般及び産業廃棄物焼却工場、家電リサイクル工場従事労働者の血液を採取した。生体試料中臭素化ダイオキシン類の測定は、高感度分析法を開発し、その方法を用いて、ヒト血液等の生体試料を測定し、臭素化ダイオキシン類のリスクに関し検討した。
結果と考察
作業環境の実態調査に関しは、臭素化・臭素系ダイオキシン類がすべての工場で検出された。その中で、家電リサイクル工場の気中臭素化・臭素系ダイオキシン類濃度は、実測濃度で5.69-1774.6pg/m3と比較的高値であった。更なるリスクの評価が必要である。臭素系難燃剤等のばく露調査は、一般廃棄物焼却工場、産業廃棄物焼却工場及び家電リサイクル工場で実施し、調査対象者は、合計106人であった。各工場3群で比較すると、コプラナーPCB及び難燃剤であるPBDEに関しては家電リサイクル工場の労働者で高いことがわかった。血液中臭素化ダイオキシン類の高感度分析法も検討し、ヒト血液30-40ml程度で分析可能となった。この方法を用い、ヒト血液について臭素化ダイオキシン類の測定を行った。廃棄物焼却処理工場従事労働者20人の血液を4-7人ずつの4群としたプール血液を測定した結果、10-24 pg/g-lipid の2,3,7,8-TeBDDなどが検出され、塩素化ダイオキシン類よりも高濃度であった。
結論
作業環境の実態調査に関しは、臭素化・臭素系ダイオキシン類がすべての工場で検出された。臭素系難燃剤のばく露調査は、各工場3群に分けて比較すると難燃剤であるPBDEに関しては家電リサイクル工場の労働者で高いことがわかった。臭素化ダイオキシン類の高感度分析法を確立し、廃棄物焼却工場従事労働者の血液を測定した結果、2,3,7,8-TeBDD等が検出され、塩素化ダイオキシン類よりも高濃度であった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-