内分泌かく乱性確定試験法及び内分泌かく乱性試験評価包括ガイドラインの開発に関する総合研究

文献情報

文献番号
200401248A
報告書区分
総括
研究課題名
内分泌かく乱性確定試験法及び内分泌かく乱性試験評価包括ガイドラインの開発に関する総合研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小野 宏((財)食品薬品安全センター秦野研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
  • 鈴木 勉(星薬科大学 薬品毒性学教室)
  • 宮川 宗之((独)産業医学総合研究所 企画調整部)
  • 今井 清((財)食品農医薬品安全性評価センター)
  • 林 良夫(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 総合創生科学部門 分子口腔医学講座 口腔分子病態学分野 )
  • 武吉 正博((財)化学物質評価研究機構 日田事業所)
  • 長尾 哲二(近畿大学 理工学部 生命科学科 発生生物学教室)
  • 吉田 緑((財)佐々木研究所 病理部)
  • 太田 亮((財)食品薬品安全センター 秦野研究所 毒性部 毒性学研究室)
  • 長村 義之(東海大学 医学部)
  • 西川 淳一(大阪大大学院 薬学研究科)
  • 高木 篤也(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
  • 松島 裕子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
  • 吉村 愼介((財)食品薬品安全センター 秦野研究所 毒性部 毒性学研究室)
  • 井上 達(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
  • 広瀬 明彦(国立医薬品食品衛生研究所 総合評価研究室)
  • 永井 賢司((株)三菱化学安全科学研究所 鹿島研究所)
  • 山崎 寛治((財)化学物質評価研究機構 日田事業所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
162,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ホルモン様生体影響を及ぼす化学物質の検出と優先順位づけの要望を受け、その延長線上で生体障害性を発揮する内分泌かく乱化学物質(EDCs)の確定試験を開発する。即ち、一生涯(発生、発達、成熟、老化)の全ての段階において、内分泌かく乱作用により懸念される毒性指標を網羅的に確認する「齧歯類一生涯試験法」の開発を行う。また、これを支援する基礎研究を並行する。更に、国際的協調の継続として、OECD試験法ガイドライン化を視野に入れた内分泌かく乱性試験法の開発、新たな試験の評価に関する包括的なガイドラインの開発に貢献する。
研究方法
内分泌かく乱性確定試験開発研究として、従来の多世代試験法の改良のみにとどまらず、一生涯を観察対象とした有害性評価試験系の構築にあたり、胎生期・新生児期(周産期)にEDCs暴露を行い、神経・行動、免疫、生殖器系への影響を検討する。支援基盤研究として、受容体応答機構、応答遺伝子群発現の研究を行う。国際的協調の継続として、OECDの国際テストプロトコールである子宮肥大試験、Hershberger試験、反復投与毒性試験を実用化する上で最終的に残されている問題点の解決を図り、国内外の情報収集とデータ整理を行う。
結果と考察
内分泌かく乱性確定試験開発研究では、神経・行動においてマウスの依存性薬物に対する反応の亢進が確認され、認知機能、場面適応性や報酬効果に及ぼす影響をマウスで検討する条件の設定、脳の性分化への影響を形態学的に観察した。免疫系は、自己免疫疾患モデル系を用いT細胞系の異常が確認された。生殖器系では、雄の肛門 - 生殖突起間の組織に変化が見られ、雌では早発閉経がみられた。支援研究では、従来の肉眼的・病理組織学的検査のほか、マイクロアレイ等遺伝子発現情報を駆使する手法も取り入れ、技術基盤の導入に成功した。国際テストガイドラインに関わる調査研究では、反復投与毒性試験は発生神経毒性の検出に焦点を当て、神経毒性と筋毒性の識別の必要性、検査に絡むストレス負荷の影響が問題点として浮上した。子宮肥大では、antagonistに関連したデータ、飼料、用量、群構成について考察した。
結論
包括的対応体系の確立に向けて、胎児期、新生児期にあたる周産期暴露が成熟後に不可逆的に影響することや、従来の多世代繁殖毒性試験の限界を認識しつつ、その改良を含む確定試験法の開発を進め、種々の毒性指標を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-