献血者及び血液の安全性向上のための問診のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200401228A
報告書区分
総括
研究課題名
献血者及び血液の安全性向上のための問診のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高野 正義(財団法人 血液製剤調査機構)
研究分担者(所属機関)
  • 小口 隆(財団法人 血液製剤調査機構)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学)
  • 日野 学(日本赤十字社)
  • 中嶋 一格(東京都西赤十字血液センター)
  • 七川 博一(日本赤十字社血漿分画センター)
  • 鴨 愼一(日本赤十字社中央血液センター)
  • 佐竹 正博(東京都赤十字血液センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
6,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
献血者と輸血血液の安全性向上のための「献血者に対する問診のあり方」を検討し,より効果的な問診を実施するために役立つ資料を得ることを目的とする。
研究方法
(1)献血者の本人確認の試行とアンケート調査,(2)インフォームドコンセントのための文書の作成と映像媒体の試作品作成,(3)タッチパネル式問診システムの試行とアンケート調査,(4)インタビュアーによる問診の試行とアンケート調査,(5)SARS流行時の血液センターの対応調査
結果と考察
(1)身分証明書等の提示による本人確認については,ほとんどの献血者の理解が得られ,事前に周知がなされれば実施は可能と判断できた。日本赤十字社では平成16年10月から全国で開始し,順調に実施されている。(2)インフォームドコンセントのため献血者に手渡す文書を作成した。全国で実施する予定である。また,献血ルームのテレビで放映する媒体の試作品を作成した。(3)タッチパネル式問診システムは従来の手書き式よりも竦fに要する時間は長くなるが,タッチパネル式のほうがよいが45%,不便だが苦にならないが38%と好意的であり,自己申告しやすくなり血液安全性の向上に役立つものと考える。(4)インタビュアーの導入は肯定的に受け取られ,インフォームドコンセントの充実,採血不安の減少等問診の効果を高めるものと考える。
結論
検査目的の排除等献血血液の安全性向上及び献血者の安全のための問診の強化には,本人確認,インフォームドコンセントの充実,タッチパネル式問診システムの導入,インタビュアーの導入が有効と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200401228B
報告書区分
総合
研究課題名
献血者及び血液の安全性向上のための問診のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高野 正義(財団法人 血液製剤調査機構)
研究分担者(所属機関)
  • 小口 隆(財団法人 血液製剤調査機構)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学)
  • 日野 学(日本赤十字社)
  • 中嶋 一格(東京都西赤十字血液センター)
  • 七川 博一(日本赤十字社血漿分画センター)
  • 鴨 愼一(日本赤十字社中央血液センター)
  • 佐竹 正博(東京都赤十字 血液センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
献血者及び献血血液の安全性向上のための問診のあり方を検討し,より効果的な問診を実施するために役立つ資料を得る。
研究方法
①献血に関する一般市民の意識調査として,東京で男女1,000人の面接調査を行う。②献血問診医の問診に関する意識調査として,東京の100人の問診医に調査票を配布する。③献血者の本人確認の試行。④インフォームドコンセントのための文書の作成。⑤タッチパネル式問診システムの構築と試行。⑥インタビュアーの導入による問診補助の試行。⑦海外の問診に関する現地調査及びSARS流行時の血液センターの対応調査。
結果と考察
①一般市民の80%は輸血による感染の可能性を理解しているが,採血後の検査によって心配がないと思っている人が20%弱いた。また,HIV感染リスク行動によって約9%は虚偽申告の可能性が見られた。②問診医のアンケート調査によると,初回献血者はウインドウピリオドを十分理解していない。③身分証明書等の提示による本人確認を試行したが,ほとんどの献血者の理解がえられ,平成16年10月から全国で実施された。④インフォームドコンセントのための献血者に手渡す文書を作成した。また,テレビ放映の試作品を作成した。⑤タッチパネル式問診を試行したが,自己申告しやすくなり,安全性向上に役立つと思われる。⑥インタビュアーの導入を試行したが献血者に肯定的に受け取られた。⑦フランス等では献血者の本人確認はもちろんのこと献血者の責任を重視する考え方が取り入れられている。また,リスクのあるドナーは医療機関に行き,献血者のHIV感染率は低い。
結論
検査目的の排除等献血血液の安全性向上のための問診の強化には,本人確認,インフォームドコンセントの充実,インタビュアーの導入,タッチパネル式問診システムの導入が有効である。また,無料,匿名のHIV検査機関の充実,献血者の責任を重視する考え方も重要である。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-