血管炎治療のための人工ポリクローナルグロブリン製剤の開発と安全性向上に関する研究

文献情報

文献番号
200401226A
報告書区分
総括
研究課題名
血管炎治療のための人工ポリクローナルグロブリン製剤の開発と安全性向上に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部第三室)
研究分担者(所属機関)
  • 武曾 恵理(北野病院 腎臓内科)
  • 橋本 博史(順天堂大学 膠原病内科)
  • 相澤 義房(新潟大学 医学部)
  • 佐地 勉(東邦大学 医学部)
  • 大野 尚仁(東京薬科大学 医学部)
  • 新井 孝夫(東京理科大学 理工学部)
  • 高橋 啓(東邦大学 医学部)
  • 荒谷 康昭(横浜市立大学 木原生物学研究所)
  • 山本 健二(国立国際医療センター研究所)
  • 大川原 明子(国立感染症研究所)
  • 鈴木 章一(長崎大学 熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大量ガンマグロブリン製剤治療(IVIg)は難治性疾患の初期治療として必要性が増し、人工化が望まれており、人工ガンマグロブリンを作製する。大量発現させた本標品を用い、開発した病態モデル動物により薬効を評価する。また、人工化グロブリンの臨床応用にむけ、IVIgによる良好な治療成績も得ている。
研究方法
1.IVIgの評価:6か月時点で評価する。
2.薬効評価、安全性向上:モデルマウスでの治療効果、宿主株の遺伝子安定性、発現ベクターにおける有害遺伝子配列の否定、組み換えグロブリン製剤の安定性および毒性試験
結果と考察
1)臨床分科会
(1)急性進行性腎炎:IVIg施行で、早期の疾患活動性の抑制などに有効。臨床試験の開始を予定。好中球のMPO発現、IL-12の各分画の血中濃度の変異を解析。
(2)川崎病のIVIg治療評価:8-isoprostaneの血管傷害指標を用い判定した。
(3)新たな治療薬:インフリキシマブとメトトレキサートとの併用療法の効果。

2)人工化グロブリン作製・安全評価分科会
mg単位で作製できた。可溶性の改良型を作製。血管炎誘導型モノクローナル抗体を作製。

3)モデル動物班・評価班
(1)川崎病様血管炎モデルマウス: CAWS誘導冠状動脈炎モデルマウス。C. albicansの培養pH により、収量、糖組成、構造、血管炎誘発活性が変化した。CAWS投与直後、末梢好中球数の増加と機能亢進。
(2)他の血管炎モデルマウス:SCG/KjおよびBSA誘導腎炎マウスを評価し、血管炎モデルマウスとしての有用性が認められた。
(3)IVIg治療効果:CAWS誘導冠状動脈炎モデルマウスで有意に抑制された。自己免疫性心筋炎をIg融合タンパクの遺伝子導入により抑制された。
4)新技術:MPOの生体での役割解析、量子ドットによるグロブリンの生体内動態の解析、DC文化による人工グロブリンの安全性についても検討した。
結論
IVIg療法により、早期の疾患活動性の抑制、腎死や感染症発症頻度の低下などの有効な成績を得た。また、モデルマウスでのIVIgの有意な抑制効果を認めた。人工ガンマグロブリンを改良し、治療を行った。さらに、その安全性の確保について検討した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-12
更新日
-