専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)の有効性及び安全性等の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200401216A
報告書区分
総括
研究課題名
専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)の有効性及び安全性等の評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
海老塚 豊(東京大学大学院薬学系研究科天然物化学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 代田 修(徳島文理大学 香川薬学部)
  • 花尻 瑠理(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 水上 元(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 市瀬 浩志(武蔵野大学 薬学研究所)
  • 大塚 英昭(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食薬区分の国際的な現状と各成分本質の安全性等に関し科学的に調査・検討し、我が国の食薬区分の見直しに資するデータを収集する。また、保健衛生上危害を生ずる恐れのある植物由来物質等のデータ収集を行うとともに、医薬品監視の立場から漢方処方等の分析指標について検討する。
研究方法
「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に例示される品目の成分・本質について文献調査を行った後、班会議を開催し、その品目が「専ら医薬品」に分類すべきか再検討を行った。また、より実証的な検討が必要な品目について対象物の入手し、別途、成分検討や分析に関する研究等を遂行した。また、欧米における未承認医薬品(所謂脱法ドラッグを含む)の法規制化に関する調査研究を行った。さらに、LC/MS・GC/MSを用いた脱法ドラッグ等の一斉分析法の開発、漢方処方の抽出方法の差と成分の比較、味認識装置を用いた漢方処方の味の規格化等行った。
結果と考察
本年度は、150品目について再検討を行い、25品目が「医薬品としての使用実績が乏しく、含有成分等からも食薬区分の見直し対象となり得ると考えられる品目」と判断された。また、新規34品目について調査研究を行った。実証的な検討では、特にコオウレン、セイヨウサンザシ葉、ミツガシワ、エイジツ等の成分検討・分析、DNA配列の比較によるヨーロッパ市場生薬の原植物の検討、ガウクルアのDNA分析を遂行した。また、米国DEA・FDA及び、EU本部を訪問し情報収集を行った。また別に、専ら医薬品として区分されるべき幻覚性植物に関する調査研究を行った。さらに、確立した一斉分析法を、向精神効果を謳う123製品に応用し、一部の製品より5-MeO-DIPT、AMT、DMT等を検出した。特に天然由来と標榜する製品からも合成薬物が検出された。中国製処方に関する研究では、中国薬典458品目の「中成薬」中30品目で日本の漢方と成方・処方名が類似していた。また抽出方法の差で成分構成が異なること、味覚認識装置で処方の味を客観的に表現することが可能であることが判明した。
結論
引き続き残りの植物成分及び、動物由来及びその他の品目について調査研究を行う。また、実証的研究、指標成分の検討等も同様に実施する。以上の研究の成果は、厚労省において食薬区分の見直しを検討する基礎資料となる。さらに、専ら医薬品、脱法ドラッグ等の監視・指導行政に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-