患者及び国民に理解される副作用等医薬品情報内容の構築と医薬品適正使用への患者参加推進に関する研究

文献情報

文献番号
200401211A
報告書区分
総括
研究課題名
患者及び国民に理解される副作用等医薬品情報内容の構築と医薬品適正使用への患者参加推進に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
久保 鈴子((財)日本薬剤師研修センター 事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 俊樹((財)日本薬剤師研修センター )
  • 山元 俊憲(昭和大学 薬学部臨床薬学教室 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,515,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者を被護者ではなく主体的参加者とすることを目指して患者の理解度向上に焦点を当て、患者に理解される医療用医薬品の情報提供の在り方について検討し、厚生労働省が提唱している「患者向け説明文書」の参考として資すること。
研究方法
①患者用語集の作成:副作用用語と自覚症状用語のデータベース化を行った。自覚症状用語は、副作用と適切に関連しているか、適正な日本語で表現されているかの検討を行った。
②患者に理解される患者向け説明文書に関する検討:15年度の試作物「パナルジン患者向け説明文書」をサンプルに、EUやオーストラリアの試験方法に準じて、患者を含む一般消費者を対象に、「見やすさ」と「分かりやすさ」について対面調査を実施した。
③医薬品の適切な保管と使用期限および残薬に関する検討:15年度に行った現状調査に基づき、残薬の処理方法など薬事法との関連を勘案して適切な方策を検討した。
④多剤併用時の副作用重篤度分類化に関する検討:主任研究者が13年度に報告した「患者の訴えに基づく多剤併用時の副作用早期発見支援システム」の実用化を目指して、既知症例を用いて実証的検証を行った。
結果と考察
患者用語集については、約1500語の副作用について自覚症状用語を関連させたデータベースが完成した。患者向けの情報提供時に活用することにより、患者と医療従事者が共通の言葉でコミュニケーションを図ることが期待できる。患者に理解される患者向け説明文書として、対象者の多くが今回のサンプルを「見やすく、分かりやすい」とした。表現方法等課題も残されたが、今回の結果を参考に改善を重ねることで有益性の高い説明文書となることが示唆された。医薬品の残薬等への対応は、正確な情報を求められており、今後保険関連との整合性が必要と思われた。ポイント制による多剤併用時の副作用重篤度分類化の試みは、便宜的に付与したスコアで約5割の確率で分類できた。今後スコアの見直しとプログラムの微修正により更に精度が上がれば、安全対策への貢献度が高まることが示唆された。
結論
副作用用語を自覚症状用語に変換して表現することを可能にしたこと、見やすく分かりやすい患者向け説明文書の基本様式を提示できたことなど、本研究成果は、厚生労働省が提唱している「患者向け説明文書」の参考資料として活用に値するものと考える。

公開日・更新日

公開日
2005-07-14
更新日
-

文献情報

文献番号
200401211B
報告書区分
総合
研究課題名
患者及び国民に理解される副作用等医薬品情報内容の構築と医薬品適正使用への患者参加推進に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
久保 鈴子((財)日本薬剤師研修センター 事業部)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 俊樹((財)日本薬剤師研修センター)
  • 山元 俊憲(昭和大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者を医療への主体的参加者とすることを目指して患者の理解度向上に焦点を当て、患者が理解できる用語による医薬品情報提供の在り方を検討し、厚生労働省の提唱する「患者向け説明文書」の参考として資すること。
研究方法
①患者用語集の作成:15年度に各地の実務薬剤師にWebを活用して副作用用語と自覚症状用語の関連付け作業を依頼し、16年度は臨床医、薬剤師、言語の専門家による自覚症状用語の適切性等を検討した。
②患者向け説明文書案の提示:15年度に海外の患者向け説明文書ガイドラインを参考に様式案を提示し、パナルジン錠、オイグルコン錠、テオドール錠の説明文書を試作した。16年度はパナルジン錠説明文書をサンプルとして、患者を含む一般消費者を対象に理解度調査を行った。
③医薬品の残薬等適切な保管に関する検討:15年度に患者および薬剤師を対象に現状調査を行い、16年度は残薬の処理方法など適切な方策について検討した。
④多剤併用時の副作用重篤度分類化に関する検討:13年度に報告した「患者の訴えに基づく多剤併用時の副作用早期発見支援システム」の実用化を目指して、既知症例による実証的検証を行った。
結果と考察
患者用語集については、最終的に約1500語の副作用用語について自覚症状用語を関連させたデータベースが完成した。患者向けの情報提供時に活用可能であり、これにより患者と医療従事者が共通の言葉でコミュニケーションを図ることが期待できる。患者に理解される患者向け説明文書として、対象者の多くが今回のサンプルを「見やすく、分かりやすい」とした。表現方法等について更に改善を重ねることで有益性の高い説明文書となることが示唆された。特に、安全性情報を自覚症状用語に変換して提供する試みは、患者の自発的な副作用の早期発見による未然防止を可能にすると考える。医薬品の残薬等への対応は、今後保険関連との整合性が必要と思われた。多剤併用時の副作用重篤度分類化は、今後引き続き検討して精度を高めることで、実用化の可能性が示唆された。
結論
副作用用語を自覚症状用語に変換して表現することを可能にしたこと、見やすく分かりやすい患者向け説明文書の基本様式を提示できたことなど、本研究成果は、厚生労働省が提唱している「患者向け説明文書」の参考資料として活用に値するものであり、さらに安全対策への貢献も期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-07-14
更新日
-