国際的動向を踏まえた体外診断薬の品質管理に関する研究

文献情報

文献番号
200401202A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的動向を踏まえた体外診断薬の品質管理に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹森 利忠(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 海野 幸子(国立感染症研究所 ウィルス第三部)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 浅野 喜造(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院 小児科)
  • 川名  尚(帝京大学医学部 産婦人科)
  • 吉田  浩(福島県立医科大学 臨床検査医学)
  • 丹野瑳喜子(埼玉県衛生研究所)
  • 水落 利明(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 岡田 義昭(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 山口 一成(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 林  茂樹(国立病院東京災害医療センター)
  • 吉澤 浩司(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 飯野 四郎(医療法人社団静山会 清川病院肝臓病学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国で市販される診断薬の品質管理の向上を図るために、風疹抗体とHBs抗原各診断薬キットの国際動向を踏まえた国内での感度表記の標準化とそれに伴う品質管理についての実施の方策を明らかにすることを目的とした。このため、(1) WHOの標準品に準拠する風疹抗体とHBs抗原の国内標準品を作製する。(2)風疹抗体測定キットの品質管理に必要なパネル整備を行う。(3)異なった手法による風疹抗体測定の特異性と感度の相関性を評価する。(3)HBs抗原検出キットに関して、我が国で高頻度に存在する遺伝子型判定に必要となる標準品を作製し市販診断キットの感度と特異性を評価する。
研究方法
国際標準品に準拠した国内標準品作製にはWHO標準品と国内標準品を種々の方法を用いて測定し、試験内、試験中の誤差を測定し、平行検定法を用い相対抗体価を算定した。各遺伝子型HBs抗原及び変異HBs抗原標準品候補として対応するHBVウィルス遺伝子を肝細胞株に導入しその培養上清を求める抗原として性状を解析した。風疹抗体測定に関わるHI法、EIA法、LA法の感度と測定値の相関関係を合計642検体を対象として検定した。先天性風疹症候群の発症に対応する目的で風疹ウィルスRNA抽出法の標準化の必要条件を検討した。また風疹抗体の測定の実施把握等について全国地方衛生研究所の現状を調査した。
結果と考察
風疹IgG抗体WHO標準品に準拠した国内標準品作製した。また風疹診断キットの品質管理に必要となる血清パネル作製のため同意を得たボランティアより90検体の血清を収集保管した。風疹抗体診断ではHI法の使用が多いことが明らかにされたが、簡便化を望む意見もあり、HI法、EIA法測定結果の相関性を検討した。その結果、疫学調査等の調査でのEIA法が有用となる可能性が示唆された。HBs抗原国際標準品に関して、我が国で流行する遺伝子型に対応する診断薬の評価のため標準品候補を作製するとともに共通抗原基中和抗体認識部位に変異を起こしたHBs抗原標準品候補を作製した。
結論
風疹抗体測定検査における国際動向を踏まえた国内標準品を作製した。風疹抗体診断キットにおいてはHI法、EIA法測定値の一定の相関性が認められた。HBs抗原検出キットに関して、遺伝子型及び変異型抗原測定の重要性が示され、診断キット品質管理のための標準品作製が試みられた。

公開日・更新日

公開日
2006-05-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200401202B
報告書区分
総合
研究課題名
国際的動向を踏まえた体外診断薬の品質管理に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹森 利忠(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 海野 幸子(国立感染症研究所・ウィルス第三部)
  • 水落 利明(国立感染症研究所・血液・安全性研究部)
  • 田代 眞人(国立感染症研究所・ウイルス第三部)
  • 宮村 達男(国立感染症研究所・ウイルス第二部)
  • 浅野 喜造(藤田保健衛生大学・小児科学教室)
  • 川名  尚(帝京大学医学部付属溝口病院・産婦人科)
  • 吉田  浩(福島県立医科大学・臨床検査医学講座)
  • 丹野嵯喜子(埼玉県衛生研究所長)
  • 林  茂樹(国立病院機構災害医療センター)
  • 吉澤 浩司(広島大学大学院・医歯薬学総合研究科)
  • 飯野 四郎(医療法人社団静山会清川病院)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所・感染症情報センター)
  • 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院)
  • 岡田 義昭(国立感染症研究所・血液・安全性研究部)
  • 山口 一成(国立感染症研究所・血液・安全性研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国で市販される診断薬の品質管理の向上を図るために、風疹抗体とHBs抗原各診断薬キットの国際動向を踏まえた国内での感度表記の標準化とそれに伴う品質管理についての実施の方策を明らかにすることを目的とした。このため、(1) WHOの標準品に準拠する風疹抗体とHBs抗原の国内標準品を作製する。(2) 更に風疹については品質管理の向上に必要なパネル整備を行う。また現在用いられれている異なった手法で得られた特異性と感度の相関性を評価する。(3)HBs抗原検出キットに関して、我が国で高頻度に存在する遺伝子型判定に必要となる標準品を作製し市販診断キットの感度と特異性を評価する。
研究方法
各界を対象としたアンケート調査を行った。国際標準品に準拠した国内標準品作製にはWHO標準品と国内標準品を種々の方法を用いて測定し、試験内、試験中の誤差を測定し、平行検定法を用い相対抗体価を算定した。各遺伝子型HBs抗原及び変異HBs抗原標準品候補としては対応するHBVウィルス遺伝子導入肝細胞株が産生する培養上清を用いその性状を解析した。風疹抗体測定に関わるHI法、EIA法、LA法の感度と測定値の相関関係を検定した。
結果と考察
各界の調査において、風疹抗体、HBs抗原検出検査における国際動向を踏まえた標準品の作製に多くの賛同を得た。そこで風疹IgG抗体及びHBs抗原に関してWHO標準品に準拠した国内標準品作製した。また風疹診断キット用の品質管理に必要となる血清パネル作製のため同意を得たボランティアより90検体の血清を収集保管した。更に風疹抗体診断で使用されるHI法、EIA法測定結果の相関性を検討し疫学調査等の調査でのEIA法が有用となる可能性が明らかとなった。HBs抗原国際標準品に関して、我が国で流行する遺伝子型に対応する診断薬の評価のため標準品候補を作製するとともに変異型HBs抗原標準品候補も作製した。また目的に対応した診断キットの使い方が整理され共通認識を得た。また医療機関での各キットの使用状況が明らかになった。
結論
風疹抗体測定検査、HBs抗原検出検査における国際動向を踏まえた国内標準品を作製した。風疹抗体診断キットにおいてはHI法、EIA法測定値の一定の相関性が認められた。HBs抗原検出キットに関して、遺伝子型測定の重要性が示され、診断キット品質管理のための標準品作製が試みられた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-22
更新日
-