医療機器・医用材料の安全性評価手法開発に関する研究

文献情報

文献番号
200401167A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器・医用材料の安全性評価手法開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 利江(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
研究分担者(所属機関)
  • 蓜島 由二(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
  • 五十嵐 良明(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
  • 佐藤 道夫(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
  • 伊佐間 和郎(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
  • 澤田 留美(国立医薬品食品衛生研究所(療品部))
  • 堤 定美(京都大学再生医科学研究所生体機能学部門シミュレーション医工学分野)
  • 小林 郁夫(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 素材研究部門)
  • 角田 正史(北里大学医学部)
  • 脇谷 滋之(信州大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
23,165,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器の安全性を評価するために、現行厚生労働省ガイドラインには記載されていない新しい手法の開発を行うことを第一の目的とする。バルク材料のエンドトキシン評価、添加剤や金属材料の免疫毒性評価、人工骨用金属合金の安全性・有効性評価において臨床実態に近い評価手法を開発する。Ti/Ni合金の安全性評価手法の開発も行う。整形インプラントの力学的・安全性試験の厚生労働省ガイドラインを作成することを第二の目的とする。
研究方法
エンドトキシンスパイクコラーゲンスポンジの調製と生体影響を評価する。FACSを用いた細胞表面抗原の解析と免疫毒性評価の従来法との比較をする。動物に埋植する合金の設計と試作をする。抗血栓薬の薬物代謝酵素遺伝子の遺伝子多型について対照血液で検討する。脊椎固定器具のコンピューターシミュレーションによる力学的安全性評価を行う。Ti/Ni合金材料を設計作製し、各種腐食試験を行う。人工硬膜に使用されるオリゴマーとスズ系触媒について、脳由来細胞で評価する。軟骨修復ヒト臨床類似の動物モデルを検討する。
結果と考察
エンドトキシン含有材料のラット皮下、腹腔埋植実験を実施し、規格値を検討した。アレルゲン評価のnon-RI LLNA法を検討した。各種新Ti合金材料を試作し正常骨芽細胞で骨形成能を評価し、invitro高骨形成能Ti合金を設計し、in vivo 用埋植試験片を作製した。Ti/Ni合金材料の選定と複数のin vitro環境条件を決定し、腐食試験等を実施した。動物に埋植するTi/Ni合金材料を作製した。金属材料の破損等の不具合情報を整理した。抗血栓薬ワーファリンのターゲット遺伝子について日本人で多型が報告されているSNPを抽出した(24SNP)脊椎固定器具初期埋入時のネジ周辺における応力状態とネジ初期固定力等を評価した。人工脳硬膜候補材料の影響を脳由来培養細胞で検討した。バイオ軟骨の臨床評価に有用な動物モデルの考案と評価を実施した。
結論
LPSの規格値を試算した。LLNA nonRI法は、感度は低いが短時間で評価可能。ワーファリン関連7遺伝子で、23SNPのタイピング終了。Ti-6Al-4Vは純Tiに比べ骨芽細胞の増殖・分化を抑制。ニッケルアレルギーの米国不具合情報を調査。Ti/Ni合金の各種腐食試験を実施。生分解性材料使用ジブチルスズの毒性は強い。脊椎スクリューの固定性と剛性に骨密度が影響大。提案した動物モデルの関節軟骨修復は不完全で、 修復実験モデルとして使用可能。

公開日・更新日

公開日
2006-05-25
更新日
-