食品中の残留農薬、汚染物質の摂取量等に関する研究

文献情報

文献番号
200401141A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中の残留農薬、汚染物質の摂取量等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 保博((財)残留農薬研究所(化学部))
研究分担者(所属機関)
  • 堀口兵剛(自治医科大学 地域医療学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分担研究1-1:理論的1日最大摂取量(TMDI)がADIを大きく超える農薬について,摂食量の多い主要農産物の加工調理に伴う残留農薬の量的変化を調べ,残留農薬のより精密な暴露量評価を可能にする。分担研究1-2:畜産水産食品中残留農薬の暴露量を評価する上で整備等すべき情報を整理する。分担研究2:暫定週間耐用量を超えるCd暴露を受けている被験者を多数含む集団で健康影響を調査し,より正確な摂取許容量算定に有用なデータを得る。
研究方法
分担研究1-1:今年度はジメトエートなど有機リン系(OP)農薬3種とジクワット(DQ)を対象に,日,米,豪,または新西蘭のGAPを参考にして農薬処理(DQは乾燥剤として使用)して収穫した米,小麦,大豆の精米化と炊飯,小麦製粉と製パン・製麺,及び豆腐製造に伴う原料農産物中残留農薬の収支と加工係数を測定した。分担研究1-2:米,EU,豪等の畜産品への残留基準設定に関連する試験実施指針等を調査した。分担研究2:これまでの調査でCd暴露が最も高かったF地域で昨年に引き続き198名の農家女性被験者を得,血液,尿,及び被験者が食べている白米中のCd,ならびに腎機能等を調査した。
結果と考察
分担研究1-1:OP剤及びDQは玄米中残留量の≧80%が精米で糠に,小麦中残留量の≧85%が製粉でふすま等に除去された。豆腐には大豆中残留量の50から80%(OP剤)及び約20%(DQ)が移行した。暫定基準*相当量の3種OP剤及びDQの米,小麦,大豆の3品目に由来するTMDI(幼小児)はADI(JMPR)の4から11倍及び8.5倍であるが,実際の残留濃度と白米,小麦粉(60%粉),豆腐への加工を考慮した推定1日摂取量(EDI)は,ADIの約10%及び20%と算定された。分担研究1-2:畜産品に暫定基準*のある約220農薬について,現行方式による畜産品からのTMDIを試算し,優先してEDI評価が必要となるものを分類したほか,国際機関,米国等での畜産品への残留基準設定手順を基にした畜産品からのEDI評価方法を提示した。分担研究2:対照区地域に比べ,米,尿,血中のCd濃度は高かった。Cdの尿中濃度は昨年度と変わらなかったが,米及び血中の濃度は低下しており,過去には高い暴露を受けているが近年は低下している可能性があると考えられた。腎機能障害は認められなかった。 *第2次案
結論
予定された年度目標は概ね達成された。

公開日・更新日

公開日
2005-09-01
更新日
-