GHSの分類技術とラベル理解度に関する調査研究

文献情報

文献番号
200401114A
報告書区分
総括
研究課題名
GHSの分類技術とラベル理解度に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
城内 博(日本大学大学院理工学研究科医療・福祉工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 一博(財団法人 労働科学研究所)
  • 大倉 元宏(成蹊大学理工学部)
  • 青木 和夫(日本大学大学院理工学研究科医療・福祉工学専攻)
  • 原 邦夫(財団法人 労働科学研究所)
  • 宮川 宗之(独立行政法人 産業医学総合研究所)
  • 池田 良宏(社団法人 日本化学工業協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
8,170,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
GHSの実施を国連では2008年、APECでは2006年としており早急な対策が必要である。本研究ではGHSの分類及びラベルについて、①ラベルに記載された情報を理解するために必要な知識および教育内容に関する調査、②ラベル情報の適切な配置の提案、③化学物質の危険有害性を分類するために必要な教育モジュールの提案、を行う。
研究方法
(1) GHS絵表示の認知とラベルの理解度に関する調査
GHSで用いられる危険有害性の9種類の絵表示を取り上げ特定の文字情報を選択付加した調査用紙を作成し,認知実験を行った。
(2) ラベル情報伝達に効果的な配置等に関する研究
約170品目の化学製品を購入し、ラベルにある危険有害性に関連している記載項目及びその内容についてそれらの内容を調査した。
(3) 視覚障害者に対する危険有害性情報の伝達に関する調査・研究
視覚障害者の更生施設や集会などに出向き、面接調査を実施した。
(4) GHSの教育マニュアルの開発に関する調査
GHSに関する講義を行い、その理解され易い事項および理解が困難な事項について調査した。
(5) 分類に必要な教育及び情報に関する調査研究
GHS省庁連絡会議の分類マニュアル作成委員会に参加しマニュアルの作成に寄与した。また、国連のGHS関連委員会にも出席し、情報収集を行った。
結果と考察
(1) 絵表示は一緒に文字情報がある場合に理解度が向上することが判明した。また、化学物質に関する教育がラベルの認知度を高くすることが示唆された。
(2) 情報の項目記載順序及び内容についての多様さが明らかになった。平成17年度に作成するGHSラベルモデルの記載順序を示唆する情報が得られた。
(3) 視覚障害者に対する化学品の危険有害性に関する情報伝達が不十分であることが明らかになった。ISOで規定されている危険の凸警告表示は注意喚起には使用できることが示唆された。
(4) 現在までに開発したGHS教育用のスライドはマニュアルの基本として有用であることがわかった。
(5) 今後も引き続き各委員会等に参加し情報収集を行う。
結論
平成16年度研究計画は7割以上達成できたと考える。今後はこれらの成果を基に平成17年度の研究計画を実行し、平成18年12月から施行予定のGHSを取り込んだ労働安全衛生法の実施に少しでも役立つような成果を出して行きたいと考えている。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-