事業場における過重労働による健康障害防止対策のための具体的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200401110A
報告書区分
総括
研究課題名
事業場における過重労働による健康障害防止対策のための具体的方策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
堀江 正知(産業医科大学産業生態科学研究所産業保健管理学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 寶珠山 務(産業医科大学産業生態科学研究所環境疫学研究室)
  • 筒井 隆夫(産業医科大学産業生態科学研究所産業保健管理学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,029,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
過重労働による健康障害には、労働者の生活習慣や基礎疾患などの個人差が深く関与するため、個別事例ごとの医学的評価と介入が不可欠である。一方、作業環境や作業方法による健康影響が大きな職場では、産業保健従事者が事業者に対して専門的で実効性がある助言や指導を行わなければならない。これらは、わが国独自の政策である長時間の時間外労働に従事する労働者に対する面接指導を実施する際に、産業医等に対して求められる。そこで、本研究では、過重労働による健康障害に関して過去の文献で示されている科学的根拠についての知識を普及させ、過重労働者の背景にある職場に関する個別条件に応じた面接指導が実施できるようにするための産業医支援ツールを作成することを目的とした。
研究方法
1.長時間労働による循環器疾患と精神疾患に関する医学文献を検索し、原著論文と総説を収集し、専門家による和訳及び体系的レビューを行った。
2.非専属産業医、小規模事業場、海外勤務、睡眠、長時間労働以外の労働過重性、裁判、専門職教育など、過重労働に関連した特徴的な課題を抽出し、関連文献を調査した。
3.長時間労働による健康障害防止対策や面接指導をすでに実施している事業場の産業医等の専門職から、実際の体制と個別事例について収集した。
4.文献情報と事業場情報を集約し、長時間の時間外労働者に対する面接指導の際に応用することができるデータベースを作成し、ウェブ上のツールを構築した。
結果と考察
1.長時間労働の健康障害に関する総説で引用されている原著論文83編の概要を和訳し、最近の重要論文86編の文献リストを作成した。代表的な総説4編については全文を和訳した。以上の電子データベースを作成した。
2.面接指導等をすでに実施している25事業場について、過重労働者の定義、呼び出し方、未受診者の対応、問診内容、面接技法、面接後の対策に関して、具体的に質問し、詳細な回答を得た。これらを項目別に分類して、ウェブツールとして開発した。
結論
長時間労働者に対する医師による面接指導を支援するためのデータベースとウェブツールを開発した。長時間労働の対策における課題として、正確な労働時間や労働負担の把握、長時間労働の原因の解明と解決、効果的な健康確保対策や作業環境や作業の改善を行うこと、長時間労働以外の過重労働に関する評価について、人事部門や経営部門を交えて職場全体で対策を検討する必要があることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2006-05-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-