文献情報
文献番号
200401092A
報告書区分
総括
研究課題名
労働者の自殺リスク評価と対応に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
川上 憲人(岡山大学(大学院医歯学総合研究科))
研究分担者(所属機関)
- 永田頌史(産業医科大学産業生態科学研究所)
- 廣 尚典(アデコ(株)健康支援センター)
- 高橋祥友(防衛医科大学校防衛医学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
6,679,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、労働者の自殺リスクの評価とこれへの対処のための方法論を整理・開発し、わが国の労働者の自殺防止を推進するための方法論として、(1) 事業者向けの自殺予防対策マニュアル、(2) 産業保健スタッフ向けの自殺予防マニュアル、(3) 労働者向けの自殺予防マニュアルとその教育・研修プログラムを開発することである。
研究方法
中小規模事業場における自殺予防・メンタルヘルス対策の推進の方法を検討し、事業場向け自殺予防マニュアルの完成を行った。自殺未遂をした労働者が職場復帰をする際に行うべき支援のあり方について専門家の聴き取り調査を行い、その留意点をまとめた。産業保健スタッフ向け自殺防止マニュアルを完成した。ポストベンションにおけるディブリーフィングの有効性については「自殺のポストベンション:遺された人々への心のケア」を出版した。日本精神神経学会会員160名に対してアンケートに回答を求めた。労働者等向けの自殺予防プログラム、マニュアルをさらに改善し、最終版を作成した。管理監督者向け自殺予防マニュアルの一部をIT教育化した。EAPを導入した3企業を対象として、EAPによる自殺予防効果を最終検証した。
結果と考察
中小規模事業場においては事業者の意識が自殺予防・メンタルヘルス対策の推進に重要であることが明らかとなった。自殺未遂例の職場復帰支援は、その背景となった精神疾患および精神症状の評価を十分に行うこと、上司など職場関係者に自殺未遂の事実を知らせることは控えるべきである。精神保健医療従事者のほとんどはその必要性を認めているものの、知識も経験も乏しく、自信を持ってポストベンションを実施するには至っていなかった。自殺予防教育プログラムの短期的な教育効果が確認できた。自殺予防マニュアルの分量、内容、有用性に関する評価は高かった。EAP導入後の対象企業の累積粗自殺率は9(年間対10万人)から15(同)へ増加したが、わが国の20-59歳あるいは雇用者全体と比較すればその上昇度合いは低く、EAPの自殺率低減に対する効果は否定できないと考えられた。
結論
本研究で目標とする3つのマニュアルの最終版が完成し、わが国の事業場における労働者の自殺リスクを軽減するための指針が事業場、産業保健スタッフ、労働者に向けて提供できるようになった。
公開日・更新日
公開日
2005-05-24
更新日
-