集中治療部(ICU)における医療安全管理指針策定に関する研究

文献情報

文献番号
200401058A
報告書区分
総括
研究課題名
集中治療部(ICU)における医療安全管理指針策定に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
前川 剛志(山口大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 妙中 信之(宝塚市立病院)
  • 氏家 良人(岡山大学(医学部附属病院))
  • 行岡 秀和(大阪市立大学(医学部附属病院))
  • 眞鍋 佳子(岡山大学(医学部附属病院))
  • 境 美代子(特定医療法人財団五省会西能病院)
  • 加納 隆(三井記念病院)
  • 大西 芳明(徳島大学(医学部附属病院))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
集中治療室(ICU)では、重篤な患者に対して高度な医療を提供するために、生命維持装置などの医療機器が多数稼働している。環境としては医療事故やヒヤリハット事例が多発しやすい。本研究では、日本集中治療医学会会員のICUを対象として、インシデントレポートを集計して危険因子を抽出する。また、アンケート調査を通じて実態を把握し、そのデータを分析・評価して、諸外国のものと比較検討し、日本のICUにおける具体的な医療安全管理指針を策定する。
研究方法
1.日本集中治療医学会会員の所属するICUを対象として、施設名を伏したインシデント・アクシデントレポートを集計し(否公開とする)、危険因子を抽出する。
2.会員施設を対象としたアンケート調査を通じて、インシデント・アクシデント以外の実態を把握する。
結果と考察
日本集中治療医学会会員の所属する21のICUを選び、インシデント・アクシデントのアンケート調査を行い、19施設から回答が得られた。
1.看護に関するアンケートについて(回答者:看護師長、副看護師長)
インシデント発生件数について:病棟における通常の看護ケア以外の項目(呼吸器関連,輸液等,薬剤,ME機器のトラブル)での発生が多い.
転帰について:インシデントが直接の原因となった死亡や後遺障害が残った例はなかった.
背景因子について:ME機器ではその操作が要因となり、その他の項目では教育訓練が要因となることが多かった.
2.ヒヤリ・ハット事例に関するアンケート(回答者:看護師、医師)
医師部門:ヒヤリ・ハットは血圧トランスデューサ、パルスオキシメータ、人工呼吸器の加温加湿器、PCPSカテーテル、IABPバルーンで多かった。気管チューブの接続外れもあった。
看護師部門:カテコラミン投与中のトラブル、パルスオキシメータ、人工呼吸器の加温加湿器のトラブルが多かった。
結論
看護に関するアンケート調査(看護師長、副師長宛て)、医療機器に関するアンケート調査(機器管理担当者宛て)、ヒヤリ・ハット事例に関するアンケート調査(医師、看護師宛て)の結果より危険因子を抽出した。今後は海外施設(アメリカ、およびヨーロッパの各3?4施設)を訪問し実地調査を行う。その後、これらの分析、評価を行い、日本人の考え方と時代に則したICUの医療安全管理指針を策定する予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-